今まで持ち歩き用のペンケースはDELTAのマレキアーロ(オレンジ)の3本差しを使ってたんだが、気が付いたら可動部分から薄皮のようなものが剥がれ始め……うっかり引っ張ったら脱皮が始まり……調子に乗ってコーティング部分の薄皮を全部剥いでしまった。マレキアーロって脱皮するんですよ!
それに加え、職場が変わったら通勤ラッシュが半端ない。鞄の中の万年筆が折れないか戦々恐々としていたので、「だったら強いペンケースを買えばいいじゃん」
そう思い立ったのが去年の今頃、折しも今は計画停電でラッシュ倍増。気長に構えてたがちょっと焦り始めた。君たちそんなにぎゅうぎゅう詰めになってまで会社行きたいの? 人間としての尊厳は? みたいな……
結局1年がかりで、『通勤ラッシュの圧迫に耐えうるペンケース』を探し求めた。条件は以下。
- 多少圧迫しても中のペンに影響がないくらいハードであること。
- 革製であること(長持ちしそうだから。あと好きだから)
- 3本差し以上であること。
- 149などの大型ペンが収納可能であること。
- ペンの収納部分が1本ごとに分かれていること。
- クリップで挟まなくてもいいこと。
- 格好いいのがいいなあ
その他にもいろいろあったけど、要は条件を厳しくしてなるべく物欲を刺激しないようにしていたのかも知れない。
紆余曲折あって、最終的にはハンス・オスターか、WILDSWANSとフルハルターの『Quartet』まで絞り込んだ。Quartetだったらミドリをオーダーしたいなあ、とかにやにやしてた。その他にもやっぱりWILDSWANSのPeek-A-BooIIIも触ってみると結構硬くていいかなあと思ったけど、ちょっと小さかった。それに私は、クリップはなるべく使わないようにしている(何となく金属疲労と劣化が早そうだから)
実は去年の末にもハンス・オスターの製品を扱っている北欧の匠に電話をして在庫を確認していた。その時の返事は「2月くらいに新作が入るかも」って事で、じゃあ3本差しが入荷したら連絡下さい、とお願いして数ヶ月……心の隅にはあったものの、色んな所で「1年待ちは普通」って聞いてたのでそのつもりでいた。
けれども昨日、旦那と喋っていて「電話してみれば?」と何かの拍子に言われた。どんな文脈でこの言葉が出たのかは覚えていないが。駄目元でいつ頃入荷するかくらい聞いとくか、と思って今日会社から電話してみたら「4本差しならありますけど……」
ハンス・オスターは見つけた時にすぐ買わないと次はいつお目に掛かれるか分からない、と言う教訓を先人から学んでいた私は、会社帰りに銀座へ行った。節電で電気の消えた銀座は暗く、雨まで降っている……なんというか、普段引きこもりのくせに、こういうときの私の行動力は本当にすごいと思う。
ペンケースにはφ18とφ16があり、これは直径が太い18の方。16の方も見せてもらったが、サイズ的にはそっちの方が良かった。でも149とか大型ペンが好きなので、大は小を兼ねるということで18を選んだ。16は4月19日19時の時点で1点在庫あり。御希望の方はお早めに。
ちなみに、3本差しから4本差しになると+6,000円なんだそうだ。
革の質感。質実剛健な感じ。今のところはざらざらしてあんまり馴染まない感じだが、数ヶ月もすると手のひらに吸い付くような滑らかさに変わってくる、と信じたい。4ヶ月ほど持ち歩いたノートカバーの方はつやつやしていい感じになっているので。
革製品に傷が付くと暗澹たる気分になったものだが、そのノートカバーで初めて「傷は味になるのだなあ」と実感した。だから多分この傷もいい感じになるはず。
ちょっと気になったのが、このペンケース、ハンス・オスターのマークがどこにもない。3本差しには裏面にマークがあるとの情報があったのだが、ハンス、気が向かなかったのかな……なんかちょっと寂しい気がする。ノートカバーの方には金色の文字でちゃんと彫ってあるのに……それとも4本差しは元からなかったのか?
149と146と大橋堂ブラザースを入れたところ。φ18は149がジャストサイズのようだ。146だと中でごろごろする。大橋堂は短すぎて取り出すのが大変だが、あの巨大なクリップの玉も余裕で収納。
手持ちの大型ペン全部入れてみた。奥からドルチェビータ(オーバーサイズ)、149、ビスコンティ(レインフォレスト)、中屋(シガー・ロングサイズ)
結果、オーバーサイズは駄目だった。キャップが入らなかった。それから、中屋は太さには問題ないが、長すぎて蓋が閉まらなかった……レインフォレストはぴったり。でもちょっと頭がつっかえるかな……
次は奥から、ドルチェビータ(ミディアム)、149、レインフォレスト、M1000。M1000余裕でした。よっぽど巨大なペンでなければ大体収納可能とみた。これよりでかいのって、ペリカンのアルテミス神殿とか……?
4ヶ月使用後のノートカバーとの質感の比較。写真ではよく分からんが、ノートカバーの方が表面が滑らかになって光沢が生まれている。ハンス・オスターの製品はオイルなどつけずに手ですりすりするだけにして下さいと言われているので、何もしていない。ざらざらがつるつるになる過程が楽しいのが革だなあと思う。
あと、全体的に軽い。今の手触りだと、ほんとに和紙みたい……でもペンを入れるところを押してみると、ちゃんと硬い。不思議な感じだなーと思いつつ、撫で回している今現在。熟成という奴を楽しもうと思います。
北欧の匠のレジ後ろに、30年~40年使い込んだ鞄が飾ってあったけど、それがまた傷だらけでいい感じだった。あんな風になったらいいなあ。30年使ったら還暦越えるけど。でも大昔の万年筆を修理しながら使い続けたり、それくらい先まで使うことを見越して道具を買うのは、なんかいいなあと思った。大事にします。
うわーいいなぁ!
ル・ボナーすらなかなか手が伸びない(結局ブレイリオに落ち着いた)私にとっては、すごいぜいたく品だ!
うらやましい…。
フルハルターのもかっこいいですね。
いいなぁ、いいなぁ、いいなぁ!!!
また、経年変化を適宜レポよろです。
これだけでは何なので?今月誕生日だった私はやっとモンテグラッパのネロウーノを買いました。
これだけで打ち止めにするはずだったのに、なんとオクでDELTAのウィンドウズのスプリングを3万以下で落札、さらにものは試しと入札してたモンテベルデのファンタジアが1万以下で落札出来てしまいました(汗)。
しかも両方新品。
ホントにホントに、もう今年は万年筆買わない。
買いません!
物欲オーラを出すのはもうヤメて
オレの財布のライフはもうゼロよ
あ、でもカードでボーナス一括という手が…
これがハンスオスターか…
なんという破壊力…
手に取ったら財布のHPが無くなること間違いなしですね。
でも、欲しいなぁ…
いい革の表情ですよね。
手元にフェンテノートとかあるんですよね。
とりあえず、北欧の匠に週末行ってみることにします。
>ウサっ子三昧さん
私にとっても贅沢品ですw フルハルターのはオーダーすれば確実に手に入るけど、ハンス・オスターは微妙そうだったので買ってしまいました。20年は使う。
ネロウーノ羨ましいです……そしてお誕生日おめでとうございます! そして私はウインドウズのウインターが欲しかった……3万以下って! いいなあ……
>ギャラードさん
早く買わないとなくなっちゃうかも!(魔法の言葉)
私は革に詳しいわけではないですが、手触りがいいですよ……
>Palermoさん
ノートカバーは、ハードカバーとソフトカバーの2種類があって、私のはハードカバーです。北欧の匠のご主人はソフトカバーの方を愛用されてると仰ってました(ソフトの方が売れてるそうです)ハードの方は、革に板を挟んでるんじゃなくて、革自体を厚く硬くしてハードカバーを実現させてるんだとか。
早く行かないと(ry
あ、ついでに北欧の匠に行ったら、何故4本差しにハンス・オスターのロゴマークが入ってないのか聞いておいてくれませんか……どうも気になって仕様がないのですが、そんなことで電話するのもなあ、と思い悩んでいるのです(あ、もちろん、もし偶然思い出したらでいいですwww)
ウィンドウズのウィンター、まだありますよ。
お値段は同じ3万以下です。おそらくこれ以上安くは手に入れらないと思います。
お取引させていただいた方は、丁寧に自筆のお手紙をつけてくださいました。
今日事務所に届いたのですが、家からインク持って行って、さっき試し書きしました♪
インクはナガサワの三宮パンセです(春つながりで)。
もしご興味がおありでしたらお取引させていただいた方に連絡とってみましょうか?
以前デルタのパッション購入の時はお世話になりましたしねー。
レモン社からまだDM来ますよ。
ニブはFです。ご検討ください(ふふふ)。
>ウサっ子三昧さん
ちょwww誘惑wwww
散々悩みましたが、今回は自重します。お気遣い頂いてありがとうございます。だって大橋堂買っちゃったから……!
最近紫色のインクを使いたいなあと思ってるんですよ。三宮パンセ気になるなあ(インクで物欲が抑えられれば万々歳ですw)
こんばんは~。
おお、誘惑に負けないなんてすごい!
でも、大橋堂さんのペンもうらやましい。
デルタはどこでも買えるけど、大橋堂さんのはなかなか買えませんもんね。
この際だから、とカウントしてみたら、スプリングでちょうど50本でした。
クルマ一台余裕で買えるし…ああ(自分の物欲の限りなさに絶望しそう)。
>ウサっ子三昧さん
すごい! 先日、旦那に値段を計算してもらったら(自分では怖かったので)溜息をつかれました。中古の軽位は買えそうでしたw 怖いw
つい先日、北欧の匠でハンスオスター茶4本挿し買って来ました。
やはり刻印ありませんでした。成川ジュニア曰く、「押すようにお願いはしているのですが、そんなことあまり気にしてないみたいです」
そのうちプログに掲載予定です。
>ペリカン堂さん
ご購入おめでとうございます。
やはり刻印は……気まぐれ……
しかし、それだけ自分の作品に自信があると言うことですね……
ブログ、いつも拝見しております。更新を楽しみにしてますー