ここが終点と思っていても、おかしなことに、いつもいつも、終わりが始まりだ
趣味の文具箱 vol.13

趣味の文具箱 vol.13

遅ればせながら、新刊が出ていたので。
今回の目玉記事は、著名人(椎名誠とか藤村俊二とか)の愛用万年筆と直筆の写真だろうか。特に興味はないが……いや、直筆原稿は好きだけど、椎名誠はそれほど悪筆じゃないと思った。椎名誠、一度も読んだことないけど。
直筆原稿といえば、面白いのは中上健次。特にこれはすげえ。墨としょうゆを混ぜて書いたとか。原稿も集計用紙にびっしり書かれた丸っこい文字が、なんとも味があるんだよなあ。
宮沢賢治も10年位前記念館で実物を見ているので馴染み深い、と思いきや、こんなものまで通販で買える時代になっていたんだなあ。ちなみに『春と修羅』を書くのに使ったのは、丸善の600字詰め原稿用紙だったとか。
あとは、各社の代表的なインクの耐水性実験結果とか、ご当地オリジナルインクの紹介とか、そんな感じで、特にこれといって興味を引かれるものはなかった。耐水性実験は、インクを固定して、紙と筆記してからの時間を変えた比較対象実験で、霧吹きで水をかけたり水没させたりといろいろ条件が異なっていて役に立つのかもしれないけど、そもそも私は万年筆のインクに耐水性など求めていないので、ふーんとしか言えねえ……。
春ということでピンク色のインクの特集記事もあった。今度ピンクを使いたくなったらナガサワオリジナルの岡本ピンクにしよう、とは思った。
あとは色彩雫の東京限定3色の写真が小さく載ってた。空色を選ぶなら新橋色にしたかったが、ワンタイム・エディションではどうしようもない。モンブランのターコイズが好きだったけど廃盤だし。
『趣味の文具箱』は唯一定期購読(?)している雑誌だが、だんだん自分の中でテンションがあがらなくなってきた。記事の内容に興味がなくなってきてる。万年筆、と言うジャンルに固定されていればネタ切れになるのもしょうがないと思うけど。
万年筆の写真を眺めるのは楽しいので次も買うと思うけど……。
あ、ヴィスコンティの限定品でムンクの『叫び』をモチーフにしてる奴はちょっと実物を見てみたいかも。間違っても買いはしないが。ムンクだったら『罪』とか『マドンナ』とかの方がいいと思うんだけどな。一番有名だから仕方ないのか。ムンクは後期の突き抜けた明るさよりも、前期の陰陰滅滅とした精神状態で描いた絵のほうが好き。『心臓』とか『吸血鬼』とか……。万年筆のモチーフが『思春期』とかだったらぐらついていたかもわからんね。

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