万年筆とインクとか

My PENS
万年筆は、インクによって書き味が変わる。錯覚、つうかむしろ妄想じゃね? と思っていたが、主観的に見て相当換わる(主観すなわち妄想フィルター通過済み、なのだが)
私はフローは多めでちょっと乾くのに時間がかかってページがめくれない、くらいが好きなようだ。筆跡は舶来万年筆のMくらいがちょうどいい。太いものも面白いが、サインペンみたいにまるっこい筆跡になってしまうとつまらない。太字ならスタブっぽいのが好き。
以下、今現在使用している万年筆とインク
■DELTA ソラリス(M)+DELTA ブラック
単にカードリッジしか使えないので、純正黒を使用している。このカードリッジ黒は粘度が高く、濃淡って何ですか? みたいな状態。ぬらぬらしていると言うか、『漆黒!』という雰囲気。
だがカードリッジのストックが今使用しているもので底をつくので、洗浄した空カードリッジに何のインクを詰めるか思案中。黒がいいのか、青がいいのか。
■DELTA ドルチェビータ(ソワレ・F)+Montblanc ブラック
金ペン堂主人に進められるまま購入時から一度も変えたことがない、モンブランの黒インク。細字だが程よく濃淡が出る。黒軸からつやのある黒インクが出てきたら妖艶な感じがするかしらねえと思っている。
モンブランの黒は、細字で書いてもさらさら感がある。
■DELTA ドルチェビータ(ミディアム・M)+Waterman ブラック
もともとはモンブラン黒を入れていたが、ソワレと同じじゃあ面白くないんじゃないのか? と自問自答した結果、紆余曲折を経てこうなった。
ウォーターマンの黒は、書いた瞬間はかすかに青みがかっていて、乾くと青が抜けて黒に落ち着く。インクのノリが薄い部分に少々その痕跡が残る程度。モンブラン黒よりも粘度が高めで、濃淡もそれに比例して少ない。
だがドルチェビータで使用する限りフローは良好で、ぬるっとした書き味が楽しめる。この組み合わせが今のところ最強だと思ってる。
■DELTA オールド・ナポリ(B)+ドクター・ヤンセン ヴェルディ
生まれてはじめてのBニブ。そして私にはMニブが向いているのだと認識させてくれたオールド・ナポリ。ただ単に、普段使っているノートが7mm罫であることから、太字の出番が自然少なくなるだけの話だが。
万年筆自体のフローはいい。太字に黒インクを入れたらデルタの丸いニブ形状もあいまって本気でサインペンのようになってしまったので慌てて青系インクを探した。それまで青はむしろ嫌いな色だったのだが、何を思ったかこのオールド・ナポリのおかげで青インクを捜し求める旅が始まってしまった。業の深い万年筆。
ヴェルディは、意外とフローが渋めではないか? ちょっと細めの筆跡になって使いどころが増えた。書いた瞬間は青々としているが、乾くと20年くらい経ったような落ち着いて渋い色合いに変化するのが面白い。情緒溢れるインクである。
■Pelikan M800(M)+Montblanc レーシンググリーン
緑軸だから、と言う至極単純な理由。フローは良好、濃淡も出る。M800で書くと黒よりも緑が強く出て、『ああ緑インクだったんだなあ』と再確認した(フローがかなり大目のペンで書くと緑よりも黒味が強く出てそれはそれで面白い)
書き味はさらっとしている。廃盤になったらどうしようと今から戦々恐々。代わりのインクはあるのか。
■Pelikan M1000(M)+Waterman ブルーブラック
買ったばかりでインクスキップが超絶ストレスなので、ペン先がなじむまでフローのいいインクを入れておこう、と言う考えでウォーターマンを入れてみたら、なんかものすごく素敵。
そもそもこの青は大好きなのに乾いた後のはかなすぎる色合いが気に食わなかったのだが、フローだくだくのM1000に入れたら1文字に載るインクの量が段違いらしく、乾いても色が濃い。緑変はするが気にならない程度の濃度は保っている。
書き味はさらさら。縦書きをすると、右手の小指の付け根が青く汚れるほどフローがいい。一長一短である。
■Montblanc 142(OBB)+Montblanc ブラック
ヴィンテージ。OBBだが太すぎず細すぎず、私の理想的な筆跡を残せる素敵万年筆。テレスコープ式。
純正黒を使ったのは、なんか怖かったから。ソワレと同じインクを入れているはずなのだが、書き味が全く違う。妄想かもしれないが、紙に接触した瞬間のインクの粘度が濃い。それがなんとも言えず快感。言ってる事がオカルトめいてきたが、どうしてもペン先のやわらかさだけでは説明できない何かがあるような気がする。ふしぎ!
■Montblanc 146(M)+セーラーインク工房・響きと怒り
これもやはりなじむまで、とフローのいいインクを選択。セーラーはフローがいいのにぬるっとしている不思議なインク。現行モンブランだからなのかどうかなのか、2ページも書いているとだんだんインクの色が薄くなってゆくと言う怪奇現象も気にならない程度に改善された。二度と私が現行モンブランを買うことはないだろう。ヴィンテージの海に飛び込みます。
■Montblanc 149(EF)+ナガサワオリジナル・摩耶ラピス
長らく純正黒を入れていたが、ちょっと遊びたくなって麻耶ラピスを入れてみた。基本セーラーなのでフローはよく、書き味はぬるっとしている。EFだが、モンブラン黒を入れたときよりも少し筆跡が太めになっているような気がする。ずっと書いていたいような気分になってくる。
ただナガサワオリジナルのインク瓶はセーラーのあれなので、吸入しにくいことこの上ない。特に149のような巨大ニブでは不可能に近いので、モンブランの空き瓶に中身を移した。カードリッジ1本分くらいこぼしてしまった。インクの入れ替えにはきちんとスポイトを使うこと!
■ONOTO 型番不明(M相当)+Montblanc ブラック
私の中で『ヴィンテージ=モンブラン黒』と言う図式が刷り込まれてしまっているのかどうか知らないが、とにかくはじめてのヴィンテージはモンブラン黒でした。
やはりソワレに入れたのと同じインクとは思えないほど黒々として、濃淡はほとんど出ない。紙への当たりがぬるっとしていて柔らかい。優しい感じがする。
今試してみたいのは、ヤード・オ・レッドのブルーブラック(前一度通販で買ったら油みたいな成分が分離していて恐ろしくて使えなかった)とヌードラーズのジバコとヤンセンのゲーテ(レーシンググリーンの代替色として)辺りだろうか。ペンにぴたっと来るインクを探すのは難しいが、はまったときの快感を一度覚えてしまうともうダメなんだろうなあ。しかもそれが年月により変化する、と言うのが救いがたい。
どうにも、業の深い話です。

万年筆とインクとか」への7件のフィードバック

  1. インクとペンとの関係はなかなか奥が深いものですよね!自分も万年筆にハマりかけた頃、全部違う色のインクを入れて使おうと無謀な事を考えついてそれを実行した所、未だに使い切れないインクとカートリッジを大量に所有する羽目に陥ってしまいました!その上未だにインクは増殖中………
    自分は最近のお気に入りはパイロット色雫の「深緑」、モンブランの「レーシンググリーン」、スティピュラの「グリーン」って感じなんですが、今こうやって羅列すると……全部「ミドリ」やん!

  2. はじめまして。
    黒インクについてあれこれ調べていたらこちらにたどり着きました。
    ウォーターマンの黒、いい色合いですよね。
    これを149にいれるべきか迷っているこのごろです。
    僕の149はエボナイト芯で、すぐに掠れを起こしてしまいます。
    M1000にこれをいれているようですが、
    何か不具合はないですか??

  3. >たがみさん
    ヤードとクインクのBBを注文してることは秘密ですよ!
    「インクを入れる万年筆が足りない」と言ったら、主人に「その考え方はおかしい」と諭されました。その通りだと思います。軽く病気ですね。しかしまたスティピュラのグリーンが気になってたりして……堂堂巡です。
    >iroxisさん
    はじめまして、コメントありがとうございます。
    ウォーターマンの黒を入れているのはドルチェビータのMなのですが、今のところ問題は生じていません。ただ、この黒は、黒成分の他に青の成分が入ってるため普通の黒より詰まりやすい、と言う情報をいただいたこともあります。あくまで私の使用に関しては問題なし、とご理解いただければと思います。
    エボナイト芯の149って羨ましいなあ、と思っている次第です。

  4. こんばんは。
    実は初・金ペン堂wで、M805のMニブ買ってしまいました。
    深崎さんと同じで、息子さんに‘細めに調整したM’を別のM800から
    付け替えて頂きました。(inkはもち(?)、WatermanのBB!w)
    以前の記事で、『さすがM、ペンポイントが広いと言うか平坦で、
    紙に当てるのにちょっとコツがいる。これはおいおい慣れていくだろうが』
    …と書かれてましたが、全く自分もその通りです。
    空振りしまくり、です(笑)。
    コツ、つかまれましたか?…教えて下さい…orz

  5. >Sixxさん
    おめでとうございます! M805の青縞は狙ってるんです私も。羨ましい……
    使い始めて1年経ちました。半年目くらいから、だんだん空振りしなくなってストレスが無くなってきたような気がします。時間を掛ければ本当に歩み寄って(イリジウムが良い感じに摩耗して)くるんだなあ、と感慨ひとしおでしたよ。三ヵ月使い込め、と言われますが、半年くらいは我慢した方が良さそうです。でもいらいらするんですよね―、インクスキップ(笑)今はM1000と格闘しています。1年くらい掛かりそうです。ラッピングペーパー、と言う最終手段もあるようですが、多分私はやり過ぎて後悔するタイプだと思うので、手を出すのは止めておきます……
    Sixxさんの805が早く歩み寄ってくれることをお祈りします。コツはもう、書きまくって自分の書き癖にイリジウムを合わせるしかないですよね……(ちなみに、歩み寄るまではフローの良いインクを入れておくとインクスキップが発生する確率が下がるようなので、ウォーターマンBBは最適と思われます)(私もM1000が歩み寄ってくれるまではウォーターマンBBを入れておくつもりです)

  6. 深崎さん、こんばんは。
    親切ご丁寧なご回答恐れ入ります。
    そう、‘歩み寄り’ですね…。
    Mニブ以上は寝かし気味に書いた方が…という妙な(?)先入観があったのですが、実際はやや起こし気味(立て気味)で、インクさん綺麗に出て下さいよ~と祈りながら(笑)、紙にそっと押し当てる感じで書くと、それなりに書けるようです…。
    妙な所、神経質なB型故(?)、機会があれば金ペン堂に行って正しい持ち方のレクチャー受けてくるのも手かな…と考えております。
    しかし、深崎さんのご指摘通り、書きまくって自分の癖に馴染ませる、そしてその時間を掛けた行程を楽しむようにしたいと思います。
    ありがとうございました。

  7. >Sixxさん
    万年筆はもう仕方ないですよね……正しい持ち方ができれば苦労はしないのかもしれないけど。もう、そもそもが手間のかかる筆記具を好んで選んで使っているのだし、心を広く受け入れるしかないんじゃないかと最近悟りました。万年筆を使うのは、猫と暮らすのと似ている気がします。
    はやく歩み寄って欲しい、いっそ磨いでしまえば……なんて誘惑に抗いつつ、年単位で精進するしかないですね。なんだこれ、修行か。でも歩み寄ってくれた万年筆のかわいさひとしお。なつかない野良猫に初めてすりすりしてもらえたときの感動にも似ている……

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