ここが終点と思っていても、おかしなことに、いつもいつも、終わりが始まりだ
素人の浅知恵調整、ダメ、絶対。

素人の浅知恵調整、ダメ、絶対。

DELTA DOLCEVITA SISTERS
ダメ、絶対。
ちょっと趣味の文具箱に踊らされすぎてた。ラッピングフィルム、危険(精神的な意味で)
最初はほんの出来心だったんですよ。ちょっとフローの悪くなったエクリドールのインク溝を掃除しようと思って、#10000と#15000のラッピングフィルムを探しに東急ハンズへ。申し訳ありませんがこちらでは取り扱っていないんですよーっていうかラッピングフィルムって何? なんか包むの? みたいな反応。オーケー、ここまでは予想通り。
で、結局通販で購入。思えばこの時点で何者かの横槍が入ってたわけだ。やはり虫の知らせ、とかには日頃から耳を澄ましておいたほうがいい。取り返しのつかないことになる。
で、届いたラッピングフィルム(2枚で600円強、送料650円)の#15000(怖いから)を小さく気って、インクを抜いて久しい無印万年筆の切り割りに差し込んですりすり……調子に乗ってペリカノジュニアの切り割をすりすり……そしてエクリドール。すりすり後、ちょっとフローがよくなった気がする。
そこで調子に乗った私は、Fニブであるところのソワレ(画像上)に手を伸ばした。すりすりする……もともとフローは悪くなかったので変化はほとんどないが、その時すでに調整ラリに陥っていた私の脳はフローよくなった! と誤変換。さらに調子に乗ってドルチェビータMニブ(写真下)に手を伸ばしてしまった……!
この辺りになるともう、目的と手段が逆転して、すりすりしたいだけになってくる。そして、すりすりした後RHODIAの無地パッドに書いてみると……
あれー? 書き出しのインクが出ないヨー?
普段はモールスキンの無地とルールドを使っていた。どちらかと言えばざらざらした紙。原稿用紙もざらついている。初めてつるつる紙を使ってこの衝撃。
なんか高確率で、最初の1文字の2画目くらいまでインクでない。その後はかすれることなく順調なフロー。書きやすいですwwww
この時点で顔面蒼白になる私。ちなみにソワレではこの現象はなかった。
考えられる理由としては、
1. 筆記角度にペンポイントがあっていない
2. インク詰まってる
3. インク溝が切り割からずれている
4. ペン先に手脂……?
5. ラッピングフィルムで内側削りすぎちゃって馬尻
明らかに<5>じゃねえかあああああああ!!!11
ちょっと冷静になって10倍のルーペでペン先を凝視してみたら、なんかペン先の表側のペンポイントが少し内側に向かって傾斜している。あれ……これって……ラッピングフィルムで……
この時点ですでに胃が痛くなっている。金ペン堂で買ったドルチェさんは完璧な書き味だった。ちょっと前まで何の問題もなかった。以前以降で変化したのは、ラッピングフィルムだけじゃないかね……?
もうね、ここ数日で何度ルーペでペンポイントを眺めたことか。果てしない絶望、すでに取り返しのつかないことをしてしまった、と言う罪悪感が私を苛みます。しかもそういう日に限って金ペン堂は定休日。仕事も手につかなーい。
そして24時間、一縷の望みをかけてドルチェさんを洗浄、インクを入れて家にあるさまざまな神で試してみたところ、つるつる系で顕著に症状が現れた。ざらついた紙の方がペン先からインクを絡め取る力が強いってことかしら。
今日(木曜)の昼休みを利用して金ペン堂へダッシュ。暑い、死ぬ。夏はもうちょっと空気よめ。だが胃は痛い。おなかがぎりぎりする。おこられたらどうしよう、せっかく調整してもらったのに素人が調子に乗ってごめんなさいもう二度とペン先になど手は出しません、と心の中で呟きながら入店。
症状を話したところ、息子さんがルーペでペン先を見てくれる。
ええ、結局<1>でした。期待していた方ごめんなさい。私の書き癖ですよ。ちょっとペンをひねる癖があるんだよね。えへへ、予想していた中で最良の結果に躍り上がらんばかりに喜ぶ私。ラッピングフィルムですりすりしたことを正直に白状してみたところ、表側の傾斜は金ペン堂調整だそうです(ペンを裏返しても書ける、ってやつ)……!
この時点で目が点になるわたくし。24時間の胃痛がすうっと引いていった瞬間でありました。
書き癖なら、使い続けているうちに馴染んできますよ、と苦笑しながら息子さんがおっしゃる。そして奥から出してきてくれたのは、先日お願いしたオールドナポリ。「入荷したのでこれから調整します」イヤッホオオオオオオ!
結局、出だしにインクが出やすいように少しフローを良くしてもらった。店の奥の椅子でペン先を調整してくれる息子さんが頼もしく見えました……
ペンに問題がなかった以上、これからゆっくり育てます。考えてみたら、最近腱鞘炎になってペンの持ち方も少し変わったんだった。忘れてた。
しかし、やはり万年筆はデリケートな筆記用具であると再確認した。素人が面白半分に手を出すとやばい。きちんとした調整はプロに任せるのが一番だし、ちょっとしたことでも期待通りの結果が出せるようになるためには万年筆を数十本潰す覚悟で練習しないとダメだ。それでも、どうしてもやりたかったら、失敗しても泣かないこと。
あと、自分の持ってる万年筆の状態を正しく把握しておくことは重要だと思った。
自己責任、って重い言葉デスヨネ……(ラッピングフィルムをチラ見しながら)
調整の道は本当に奥深いなあ(とにかくドルチェさんが健康体で本当に良かった)

2 Comments

  1. ひーくん

    こんばんは。
    随分経っている記事にカキコしますね。
    私もラッピングフィルムの泥沼にハマりました。
    どうしようもなくなってペンドクターに診てもらいました。
    『多角形になっているよ。』って言われてしまいました。
    素人がルーペでいくら見て調整してもダメなんですね。
    金ペンは、ペンドクターに任せると誓ってます。
    ラッピングフィルムの誘惑が来た時は、ステンレスの100均ペンやプラチナ・プレピーで遊びます。プレピーをペンドクターに見せることは無いですからね。

  2. 深崎

    >ひーくん さん
    まったくです。素人調整駄目絶対。やるなら潰していい奴で練習してから。私はあれ以来ラッピングペーパーを捨てました(と言うか何処に仕舞ってあるか忘れました)書き癖? 10年使って慣らせばいいんだよ! と、開き直れる大人になりたい。

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