ここが終点と思っていても、おかしなことに、いつもいつも、終わりが始まりだ
DELTA DOLCEVITA MEDIUM

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6月にね、結婚式挙げるんですよ。入籍自体は2年くらい前に終わってるんですけどね。その時は『入籍記念』なんつってモンブラン149をまんまと購入せしめたんですけどね。
やっぱり一生の記念じゃないですか。結婚式なんて一生に一度に納めたいじゃないですか。そう言うわけで、『結婚式記念』に相応しい万年筆を探していたんですよ。
で、ドルチェビータ。甘い生活。ぴったりじゃないですか、結婚生活に。フェリーニの映画、まだ観てないけど。マルチェロ・マストロヤンニと言えばどちらかというとテオ・アンゲロプロスの『蜂の旅人』の方を思い出しますけど。
本当は同じデルタのウェイにしようかと思ってた。幸運のお守りとやらも付いているし、結婚式にはこっちの方がいいかも、と思ってわざわざ試筆しに行ったりした。けれども、どうしても金ペン堂で買いたかった。それというのも、試筆に行った先でさわったドルチェビータはみな個体差が激しく、ちょっと未調整のものを買うのはリスキーすぎると思ったからだ。
そして今日、会社の昼休みに金ペン堂へ行ったところ、「メーカー在庫がなくて本国からの取り寄せになります」って。時期は未定、とのこと。何件か在庫があるところ知ってたけど、ちょっと迷ったけど、いやかなり迷ったけど、結局こうなったわけですよ。ウェイは諦めた。金ペン堂を信用しているというのもひとつ、ドルチェビータのミディアムのボディが一番美しいと思っているのがひとつ。
問題は、私がすでにソワレを持っていると言うことだった。軸色が違うだけで全く同じ万年筆を所有することに意味があるのか? と自問自答する。しかしここで金ペン堂主人(息子)は「ミディアムはペン先が18金で、柔らかさでは断然こっちの方がいいですから」と、ミディアムと比較するためにウェイとほぼ同じ大きさ・同じ14金ペン先のヴィア・ベネットまで出してきて試し書きさせてくれる。比べてみると一目瞭然、と言うか一筆瞭然、確かに18金は柔らかかった。ちょっと感動した。
迷いました。迷いましたよ。そもそもウェイにすると決めるまでに数ヶ月かかってるんだから。安い買い物じゃないのよ私、もっとよく考えなさい、と私の中の理性が言う。本能が囁く。「これだったら、今日持って帰れますよねえ……」
DELTA DOLCEVITA SISTERS
これがソワレとの比較。うん、ほとんど同じだね! だが反省はしていない。後悔もしていない。それにしても美しいなあ!
黒い方がソワレなら、オレンジの方はマチネーと呼び習わしたりはしないのだろうか。
DELTA DOLCEVITA MEDIUM
18k。18金のペンを使ったことがないわけではなかったが、改めて比較してみるとやはり違う。「紙に当たるときの感触がこつこつしている」と金ペン堂主人(息子)は言った。「こちらの方がお好みの方もいらっしゃるでしょうが」
確かに、一昔前の私ならペン先はFを、少し堅めの書き味を好んだことだろう。しかし今は、なんか柔らかさに目覚めちゃったというかね。急いでがつがつ書き殴らなくてもいいんじゃないかな、と思い始めている。
つうか、ソワレのFをずっと使ってたんだから、そっちの方が手に馴染んでるのは当然だった。
DELTA DOLCEVITA MEDIUM
これが18金のペン先。ソワレはF、オレンジは細めのMに調整されているという。微妙な違いがおわかりだろうか。写真だとよく分からないが、目の前にすると結構目立つ。フローがかなりよくて、モンブランの黒でも今のところあまり濃淡が出ていない。
結局店頭で悩み抜いた結果、ご飯を食べる時間が無くなってしまった。帰り際、モンブランの黒ボトルをいただいた。助かります。
にやにやしながら会社に戻り、机の上に置いた袋(紙袋はアウロラでした)をちらちら見ながらだから仕事にならない。正直、今日万年筆を持って帰れることになるとは思ってなかったのでどっきどき。メーカー注文して、6月末頃手に入ればいいかな、と思ってたのに。
それにしても、書き味は知りすぎるほどよく知っていたとおり、素晴らしいです。あとはイリジウムが自分好みの角度になるまで使い込むしかない。一応モンブラン黒を入れてもらってはいるが、このオレンジのボディから何色のインクが出てきたら美しいかしらねえと午後中ずっと考えていた。仕事? してないよ?
My Fountain Pens
ちなみに私の万年筆箱。オレンジの場所を空けてずっと待ってた。思った通り、一色あると絵面が引き締まるなあ!

4 Comments

  1. takoyaki

    いろいろおめでとうございます。
    デルタは個体差が大きいというのはその通りなのでしょうね。私のドルチェビータミニは、あまり言うことを聞いてくれません。最初はひどくて、メーカーに2回出して全然だめで、Dr川口に看てもらって、ようやく本来のパフォーマンスの(たぶん)90%くらいになってくれた感じです。ドルチェビータミニは、万年筆好きになって最初に買ったものなので、当時は金ペン堂で買うという知恵がありませんでした。それでも、これ、好きですが。
    あと、モンブランの黒はあまり濃淡は出ないのだと思っていたのですが、こうみるとフローの具合でだいぶ違うのですね。そうかそうか。うん、モンブランの黒、ひとつ違うのにも入れてみようか。うんうん。にやにや。

  2. 深崎

    ありがとうございます。まあ、いいわけですよ、自分を納得させるための。
    ミニは悩んだのですが、現物を見たらあまりに小さすぎて断念しました。コンバータ使えないし。「ちっちゃ!」って店頭で言ってました。
    私もわりと聞き分けのない子がおりますが、なんか、手のかかる子ほど可愛いと言うか……具体的にはソラリス。書き始めのフローの悪さもなんだか可愛いです。
    モンブランの黒は結構濃淡が出る方だと思ってたんですが、オノトに入れたらすさまじくマットな黒になったんですよ。ボトルの固体差かしらと思って同じボトルからソワレに入れてみたら、上の写真のとおりでしたし。ソワレは確かに微妙にフローが渋めではありましたが。
    またインク熱が上がっちゃいましたか。思う存分ニヤニヤしましょう。

  3. 深崎

    >とおりすがりさん
    あっほんとだ! しかも投稿3ヶ月後じゃないですかーやだー
    ご報告ありがとうございました。ちょっとびっくりしました。ちなみに私はリリー・フランキーも石田衣良も読まないので別人ですw
    しかし、この並びも今となっては結構変わったものです……5年って、長いですよね……

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