ここが終点と思っていても、おかしなことに、いつもいつも、終わりが始まりだ
INK PUDDLE

INK PUDDLE

インク沼に首元までどっぷり浸かっている皆々様におかれましては、万年筆だけでは飽き足らず、ガラスペン、つけペンなどフル稼働で様々なインクを試しては悦にはいる、等という夜をお過ごしかと思います。しかしながらこの厳冬の折、暖房の熱気でインク瓶の蓋を開けたままにしておいたら蒸発して濃くなっちゃう、吸入式万年筆に吸わせたら詰まっちゃったらどうしよう、等とお悩みではありませんか。

そんなときに活躍するのが小さめのインク瓶。当日使う分だけをスポイトで移してちょんちょんとペン先をつけて使う。残ったインクはどうするの? 洗っちゃうの? もったいないけど元に戻したら結局煮詰まるのでは?

インク壺と一口に言っても色々な種類があるもので、こちら私が購入したのはTAG STATIONARYさんのINK PUDDLE ROUND。決め手になったのはこの硝子の重さとインク入れる部分の形状でした。

丁度ガラスペンやつけペンのペン先がはいって、いい感じのところまでインクに浸せるようになっている。これならインクが極力無駄にならないし、インク瓶の底に残った最後のインクまでこれに移せば吸入できそうな雰囲気。ちなみにスポイトは付属しているので安心です。

TAG STATIONARYさんと言えば京の音インクとかガラスペンとか墨とか硝子製の硯とか陶器製のつけペン軸とかいちいち私の収集癖をくするぐものばっかり出してくるんで警戒してるんですけど、やっぱりまんまとはまりましたよね。ちなみにインク瓶だけでも鳥の形のやつ(BIRD)とか模様が綺麗なやつ(CYLINDER)とかある。

インクを入れる部分がすり鉢状になっているのがおわかりいただけるだろうか。あと硝子の透明度が凄い。宙吹き技法のソーダガラスで作られているそうで、このずっしり感がペン先引っかけてインク壺倒しちゃううっかり防止に役立つと踏んだのです。零しても2mlだったらそれほど被害は拡大しないだろうしね……

インクを入れたところ。ペン先をつけたときに溢れないように少なめに入れる。ターコイズとか薄めのインクを入れたらさぞかし綺麗なんだろうな。これは京の音・秘色ですので微妙に青が出ていますね。

蓋をしたところ。この蓋、ぴったりとはまるんだけど密閉性はないから結局どんどん蒸発はするよね……今のところ、インク移して4日くらい経ってるけど怖ろしい気負いで減っていくもの。やっぱり1日使う分だけ移すのがいいと思うよ。このサイズ、この重量感で密閉できれば言うことなしなんだけど、まあそれはデザインとの兼ね合いから求めすぎというものですね。

そもそも、少量ずつインクを移して使うんだったら漫画用コニック瓶とかあるし、何ならセーラーとかプラチナのインクリザーバーのはいってるインク瓶買って中身移して使えばいいんだけど、何か無骨な感じでねえ……

ちなみに私がやってたのはこんな感じ。青墨の瓶にセーラーのインクリザーバー入れて使ってた。これはこれで悪くないけど、ちょっとぐらぐらするし中でインクが零れると悲しいことになるんだよな。でも使い心地は悪くなかったし、コニック瓶に対して半額以下で自作できたので満足でした。

あと、まだ試してはいないけれどもLAMYのインクボトル。これは中々いいと思う。真ん中の窪みの形がガラスペンに丁度よさそう。今使ってるインク終わったら洗ってやってみようと思う。ペン先を拭くための紙まで付いているという神仕様だし……

このインク瓶はなかなか良いものです。猫に倒されないようにスピーカーの足下に毎回隠さなきゃいけないけど……特に蓋の部分、猫が興味津々で見てくるから油断できない。ガラスペンユーザーだけではなく、コニック瓶の販売終了でしょんぼりしているつけペン派のアナログ絵描きさんにもおすすめです。密閉力は弱いけど、安定性は高いですから……Gペン、カブラペン、丸ペンどれもいい感じのところまでインクをつけられます。以上よろしくお願い致します。

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