ここが終点と思っていても、おかしなことに、いつもいつも、終わりが始まりだ
キュリダス増殖

キュリダス増殖

プラチナ万年筆が満を持して発売したノック式万年筆キュリダス。繰り出し式じゃないのにキュリダス(多分関係ない)(Qriocityなんでしょきっと)

アーバングリーンの中字を発売日に買ってもらって(発売日だったのは偶然です)とてもよかったので、何故か今私の手元にはグランレッドのFがある……

伊東屋で試し書きさせてもらったとき、Fがもの凄くよかったんですよね……あっこのペン軸にはこの字幅がいいんだな、というベストマッチな感じ。いやEF(極細)は試してないからもしかしたらそっちの方がよかったのかもしれないけどでも直感的には「Fがいい」とと思ったんです。でもそのときに私の中の理性が「でも細字結構持ってるじゃん」「ていうか中屋の細軟もってんじゃん」って呟いたんです……

そういうわけで、「そーだな真面目に字を書くならMだな」と、その場ではMをお持ち帰りしたのですが、まあ正直予感はあった。これどっち買ってもあとで増えるな、って……

なんか、Mの方は平研ぎっぽい気配がしてこれもよかったんですよね。昔のペリカンの中字みたいで。ペンポイント四角い。これは慣れる(使い込む)までに時間がかかりそうだぞ、という第一印象。ペン先調整なぞいらん、使い込んで自分色に染め上げて書きやすくするまでがひとネタ、と思ってるストイックな方々にお勧めのペン先になります(偏見)

Mはそういうわけで、ちょっとフロー渋めのインク(モンブランのトワイライトブルー)入れたら1画目のスキップが多発して、まあ慣れるまで待つかなあと思ってたけどやっぱり若干苛々するのでフローしゃばしゃば系最強インク(偏見)R&Kのverdigrise入れたら大変快適に使えるようになりました。というか今使ってるインク100%これだった。裏抜け酷いのにどうしても離れられない……だって色が綺麗なんだもの……

あんまり違いがわからないかもしれないけど、中屋万年筆の中軟と比較。ちょっと、微妙に、キュリダスの方がスタブっぽい筆跡になっている(ような雰囲気がある)のはおわかりいただけるだろうか。入れてるインクは同じ。字幅と言うより、書いてるときの印象が「スタブっぽいな?」っていう感じ。

Fの方はペンポイントが大変小さく、これは前述のモンブランのトワイライトブルー入れても全然大丈夫。スキップ? なにそれおいしいの? くらいのレベルでフローもよろしいし、やっぱり大変気持ちよく使えております。

細いけど引っかかりもないし、通販で試し書きなしでえいやっとポチったけどさすが国産プラチナ万年筆、外れとか滅多にない。Mを店頭で試したときに、同じMでも結構字幅が違ったからFでもそういうのあるのかなあと思ったけど、このFは店頭で試したアーバングリーンのFに近かった。あそこで「いいな」と思った書き味そのままだったので、私はまた賭に勝ってしまったようだな……!

ノック部分が長い、軸が太い、クリップ邪魔、なんか謎の突起が邪魔、といろいろ文句言ったけれども、使って2日で慣れました。

ペン先の方を持った状態でノックしようとすると親指が届かなくてじゃっかん「長えな……」と思うけど、まあ別にたいしたことなくない? そんな頻繁にノックするものでもなし……会議の時にいらついてますよ! って意思表示するときくらいしかカチカチしないでしょ……?

比較したのは、ビンテージのPILOT キャップレス。これもの凄く気に入ってて使いたいんだけど、さすがにビンテージ(つうか古い)で、シャッター部分が甘くてインクすぐ乾くから困ってる。書き味はすごくいいのになあ。

ペン先出したら大体キャップレスと同じくらいの長さになりますよキュリダスは。ペン先に向かうに従って細くなってるキャップレスと比較して、軸の太さが一定なキュリダスの方が握った感じは太いですが。まあそんなもん慣れだよ。モンブランの149使ってるようなもんだと思えば……

ほらねむしろ149の方が太いくらいの勢いだから。大丈夫だから(何が?)

実際、クリップはまだ邪魔だなあと思うことはある。じゃあ外せばいいんだけど、外しても謎の突起(多分内部のシャッター部分に関連する何か)があるから邪魔は邪魔だし、じゃあいいやこのままで……と、諦めというかそういうもんだと思ってる感じ。

とにかく、この樹脂の軽い感じがとてもいい。手軽さの権化みたいな。机の上に放置してても心が痛まないし、いっそペンケースに無造作に放り込んじゃう? みたいな(多分傷だらけになって軸が割れると思う)(強度はほとんど当てにしない方がいいんじゃないか)

実際、万年筆のキャップを開ける動作を面倒くさいと思ったことはなかったけど、キャップレス使ってみるとやっぱり気軽でいいですねえ。私は現行品のキャップレス(まだ)もってないので今はどうか知らんけど、上の写真にあるキャップレスをノックすると「がちり」って重々しい感触が返ってくるんだけど、キュリダスはノックは距離も長いけどすこん、って感じ。頼りないほど軽い。最後の1cmで肩透かしを食らったような気持ちにすらなる。というかここまで来ると現行品のキャップレス欲しいなあ……

なんか、キュリダスは久し振りにとても面白い新製品を買ったような気がして楽しかった。冷静に考えたらそれほど実用性が高いわけでもなし、万年筆として群を抜いて書きやすいわけでもないけど……なんか……かわいい……ような……

2 Comments

  1. orion

    キュリダス、増殖しちゃいましたか。(笑)
    確かに、なんていうか、かわいいように感じてきちゃいますね。
    私はいまのところ、細字のみですが、そうですか、中字はスタブっぽいんですか。惹かれます。
    極細も気になるし、値段と見た目とギミックが絶妙で、もう一本!、になりそうです。(汗

    あ、私は、クリップは外して使ってます。
    なんか、外した後の邪魔な出っ張りが、ちょうど指にかかって、逆に持ちやすくなっております。
    ただ、クリップがないと、ペン先の向きが分かりにくいですが。。。何度か逆さに書こうとしてます。どっちもどっちですね。。。

    ノックの感触は、現行キャップレスの方が重い感じかな?
    キュリダスは軽くて長いノックですが、キャップレスは少し重くて短い感じでしょうか。
    値段の差があるので当然ですが、キャップレスの方が重厚感ありますよねやっぱり。

    つらつらとコメント書いてしまいました。(笑)
    キュリダス、私ももう一本増えそうな気がしております。
    それでは。

    1. 甘木

      増殖しちゃいましたw

      私のもちかただと、ちょうど邪魔な出っ張りが邪魔なところにあるんですよね……地味に邪魔なのが、ペン新側のちょっとした出っ張り。あああああっってなりながらも、やっぱりかわいいので使っています。
      ノック感は、確かにキャップレスより軽いですね。そして長いですよね確かにw

      中字もなかなかによかったです。値段も……ほら……ちょうど絶妙な設定じゃないですか。キャップレスでペン先全部揃えるとか難易度高いですけど、キュリダスなら……みたいな。あっキャップレスの細字が欲しいとか思ってないです。全然思ってません。極細だとちょっと細すぎたなあ、とか全然思ってないですよ?

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