ここが終点と思っていても、おかしなことに、いつもいつも、終わりが始まりだ
素人の浅知恵調整、ダメ、絶対 ~2017~

素人の浅知恵調整、ダメ、絶対 ~2017~

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< 前回までのあらすじ >
#3776センチュリーのシャルトルブルーブルゴーニュ(どちらも字幅は超極細)のフローが渋くて文字が書けない! でも調整に持ってく前にやれることはやってみることにした。
素人の浅知恵調整ダメ絶対。メーカー修理できなくなるし失敗すると取り返しがつかなくなるので、やるなら自己責任だけど本当はやらずにメーカーかペンクリニックかプロに頼むのが一番です。良い子はぜったい真似しちゃ駄目だよ!(特に最後の方)
< 症状 >
・原稿用紙1枚分くらい書いてると(体感)インクが掠れてくる
・ペン先を水に浸けても微妙
< 考えられる原因 >
・ペン芯にあるインクを使い切ると書けなくなるっぽい
・ペン先の切り割りが詰まってる
・ペン芯の溝にインクが流れてない
・ペン先に繊維滓が詰まってる
書き出しは快調(というほどでもないがまあ書ける)なので、多分原因は上記のどれかだろうと推測。とりあえずシャルトルブルーの方で切り割りを掃除してみることにする。大昔に買ったラッピングフィルム(#15000)で切り割りの中をスリスリしたが、ペン先が削れちゃうからやりたくなかった。他にツールがなかったので仕方なくだけど、今思えばフィルム付箋とか使えばよかった。回避できる危険は回避した方がいいよね。素人だし。
でもスリスリしても症状は全く改善しなかったので、今度はペン芯を引っこ抜いてみた。インク溝を掃除してみるも別に滓は詰まっていない。この辺からだんだん調子に乗ってきて、カッターで溝を掘り始めてしまった。ここがポイント・オブ・ノーリターン。何度か刃先でなぞってるうちに、なんか黒い繊維状のものがチョロっと出てきた。やばいペン芯削っちゃった。溝が広がってるよやべえええええええええ、って焦って、とりあえずインクを拭いてペン先をセットして首軸に戻したら、案の定と言うかフローは劇的に改善してたんだけど、今度はペン先が引っかかってペチペチ鳴っている……ルーペ(10倍しかなかった)で見たら、ちょっとペンポイントが上下にずれていた。もう一回引っこ抜いて、ペン先だけ見たらちゃんと揃ってるのでペン芯とのセッティング位置が悪いのだろうと思って、はめ直したら今度はちゃんと揃った(多分)
そりゃあねえ、インク溝掘ったらフローは改善しますよ川幅が広がるようなもんだもん。でもフローが多すぎてもペンポイントの方で受け止められないかもしれないし、これはマジで紙一重だった。偶然うまく行っただけだと思う。カッターマジヤバイ。ペン芯はプラスチックだもの。めっちゃ焦ったwww まあ結果オーライではあるけれど、溝掘り過ぎた時には「あ、もうこれはシャルトルブルーと心中したな」って思いました。まあ心中するつもりでカッターは使ったんだけど……
その反省を踏まえて隙間ゲージ買ったけど後の祭りと言えば後の祭り……でも隙間ゲージ超便利。0.04mmとかをハート穴からさし仕込んでスリスリする。先に買っとけばよかったよチクショウ……てわけで、ついでにルーペも買った。10倍だと極細のペンポイントは見づらいので30倍を。これでペンポイントのズレを最終チェックする予定(まだ届いてない)
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で、それを踏まえてシャルトルブルーで書いてみた。記事冒頭の写真に比べて筆記線が太く、濃くなっているのがお分かりいただけるだろうか。まあインクもプラチナのカーボンインクからローラー&クライナーのドキュメントインクに変えてるけど。R&Kのインクに変えてから(素人調整前から)書き出しの1画目がかすれる現象は続いてるんだけど、これはインクのせいなのか今回の適当調整のせいなのか私の筆記角度のせいなのかまだ原因が特定できていないので対応は保留中。インクが馴染むか、使い込んでペンポイントがいい感じになったら解消されるかもしれないし。段差とかなかったらまあいいや。
とりあえず現状、途中でインクがかすれることはなくなった。フローも増えて書き心地も大分万年筆っぽく、サリサリな感じにはなってきたし。今思うと、以前はガリガリ、って感じだったなあ。これが超極細ってものかなあと思ってたけど。
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そんで次。ブルゴーニュ。こちらもシャルトルブルーと同様の現象が起きていた。けれども一度メーカー修理に出してオーバーホールしてもらってるし、切り割りにカスが詰まってるとかそういうわけではないらしい。とりあえず首軸抜いてみるか、と思ったら全然抜けない。修理前はあんなに簡単にすっぽ抜けたくせにwwwさすがメーカー修理wwwwと思ったけど、いくら首がゆるいのを直してもらったってインクが出なきゃしょうがないのよ、とやけになって引っ張ったら、1mmくらい出てきた。
わかりにくいけど、上の写真で、首軸付近でインクが黒く付着しているのが今回引っ張り出した部分。これ以上はどうしても抜けなくて、ペン芯のフィンが折れんばかりの勢いだったのでここで断念。押しても戻らないのでそのままの位置で書いてみたら、まあなんと、劇的にフローが改善しているじゃありませんか!
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処置前・処置後。なにこれこわい。何もしてないのに。
あとで比べてみたら、現在の状態でシャルトルブルーとペン先の長さが同じだった。推測でしかないけど、ペン芯突っ込み過ぎだったんじゃないの……? それでインクの流れが阻害されてたんじゃないの……?
とにかく、なんかこの位置がベストポジションな気がする。書いてる途中のかすれもなくなったし、まあ、よくわからないけど結果オーライということで。なんだこれ。
このようにして、心中覚悟の素人ペン先調整は一旦の幕を下ろしたわけですけれども、今思い返すとホント紙一重でやばいシーンがたくさんあった。やはり素人の浅知恵調整ダメ絶対。そもそも、細い線が書きたくて超極細を選んだのに、フロー良くなったせいで細い線引けなくなってるからね。いま、大橋堂の極細とだいたい同じくらいの字幅だからね。書きやすくなったけど、書きやすさを得て超極細の個性を殺した感じがする。まあそれほどまでに細い線が引きたいなら、そこだけマルチライナー使えばいいじゃん、って話なんですけど。万年筆に何を求めるかよね。私の場合、結局、書きやすさ>>>(越えられない壁)>>>極細線、で落ち着いてしまったからもう仕方ない。
あと最後から二番目の武器としてDe Atramentisのドキュメントインク、個人輸入して到着待ちなんだけど、これをシャルトルブルーに入れて1画目インクがかすれるかどうかテストしようとは思ってる。1画目のかすれは、R&Kを別の万年筆(プレラ)に入れたときにも発生しているからその検証実験でもある。最後の武器は調整に出す。最悪3月の中屋のイベントに行くかと思っていたが(行ったら絶対シガーロングのペン先を交換してしまうだろうし)素人が適当にいじった尻拭いなどさせては申し訳ないからなるべくなら出したくない。このままなんとか使っていきたい、そう思う所存です。
でも、今回はペン芯が抜けやすいと評判のセンチュリーだからこそ出来た技であって、モンブランとかペリカンとかデルタとかだったら絶対やらないし出来ない(前科者)中屋でも無理だな……そもそも中屋はいじらずに速攻で調整を依頼するよ……。そう考えると、大橋堂が毎年くれる葉書のなんとありがたいことよ。餅は餅屋、自分、不器用ですからラッピングフィルムは再び引き出しの奥深くにしまいこんでおきました。

5 Comments

  1. ぶちゃいくももちゃん

    奥様~奥様~
    スキマゲージをスリットに差し込むときは
    細心の注意が必要ですよ
    何かの拍子に引っかかって
    ペン先が飛ぶことがありますよ
    はい それま~でよ! (←昭和の味付け..)
    15000番のラッピングフィルムの研磨面を潰して
    土台のフィルムを使う方が安全ですよ
    あと
    空気の流れが問題であったのかもね
    プラチナUEF 物欲がムラムラしております

  2. 深崎

    >ぶちゃいくももちゃん さん
    マジか! 気をつけます。クレージーキャッツ懐かしいです(昭和ばんざい)
    シャルトルブルーはともかく、ブルゴーニュの方はたしかに空気の流れに何か問題があったのかもしれないですね。インクもペン芯のセッティングも何も変えてないのに治った(まほう)から。
    UEF、面白いですよ。うちのUEFはすでにUEFじゃなくなってるかもしれないけど……これのあとミュージックニブとかで文字を書くと「おおっ」ってなります。新鮮です。

  3. タケヲ

    しばらくぶりです。
    お問い合わせの件ですが、あまり大きな声では言いたくないのですが、なんせ私はプラチナファンで、プラチナ何本買っただろうかというほどなので。30本くらい買ってます。だはっ!
    内緒ですよ。プラチナ、ペン芯ダメダメですよ。インクの供給能力がとても低いのです。これが答えです。センチュリーになってフローがよくなったなんて気のせいですがな。プラチナはプラチナ、フローは渋めなまま。確かあなた様は筆記速度が速かったと記憶しています。私は普通くらいですが、A5見開きくらい書くとやはり筆記線が細くなっていますよ。あなたは速いから掠れてしまうのだろうと想像できます。勿論相性の良いフローが途切れないインクも探せばあるかもしれませんがね。
    私見、失礼しました。でわでわ。

  4. orion

    かなり久しぶりにコメントさせていただきます。
    素人調整、私もたまに冷や汗かいてます。そのたびに、もうしない、と心に決めるんですが、なかなか。。。
    さてプラチナ、私もタケヲさんと同じ印象を持ってます。
    UEFは使ったことないですが(興味はあるw)、F、SF、M、B、MUSICどれを使っても、インクの消費に対して、インクの供給能力低いと思います。メモ程度に少し書く分にはいいんですけどね・・。長く書いてると、インクが途切れがちですね・・。
    私は、いろいろ変遷して、今は、センチュリー河口のBと、出雲空溜のFを使ってます。あと、中屋の中軟。出雲は、プレジデントニブ&ペン芯で、少しマシな気がしてます。
    個人の感覚なので、あまり参考にならないかもしれませんね。それでは。

  5. 深崎

    >タケヲさん
    お久しぶりです。ペン芯がダメダメだとおっしゃりながらもプラチナのファンと断言されるタケヲさんの潔さが素晴らしいと思います。
    しかし、そうか……プラチナ自体が渋いんですね。そうなると、ペン芯の溝を掘りすぎた私の調整もあながち間違いではない……? 以前のプラチナは持ち合わせていないのですが、これより渋いってある意味すごい。
    たしかに私は書きなぐるタイプなので筆記速度も速い方だと思います。現状、プラチナのカーボンインクを入れて使えるようになっていますが、長時間書き続けるテストはまだやってないので、結果が恐ろしいことにならないといいなと思います。
    あとはおっしゃる通り、インクを幾つか試してみて、ベストな状態で使えるようにがんばります。フローの問題以外は持った感じも見た目もスキなので。
    >orion さん
    おひさしぶりです。ついやっちゃいますよねw 駄目だとは分かっているんですが、ほんとに、つい……
    プラチナ自体がそういうペンだと知って、調整失敗しちゃったな~という罪悪感が少々減りました。ありがとうございます。書き出しのインクが途切れるのも馬尻にしちゃったせいじゃなかったし!
    中屋のミュージックニブのフローが潤沢であったのは、そう言えば注文時に「フロー多めに」ってお願いしていたせいだったんですね。昔のログをあさっていて思い出しました。だから、プラチナのフローも多めだと勘違いしていたのかもしれないです。
    あ、UEFは面白いです。偏執的に細かい字で紙面を埋め尽くす用途には最適です(背中押す)まあ、いじってUEFっぽくなくなっちゃいましたけどw
    じゃあ……逆に言うと……インクが途切れがちだったのはUEFの個性であって調整の必要自体……なかった……だと……?

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