ここが終点と思っていても、おかしなことに、いつもいつも、終わりが始まりだ
モールスキンとの決別その3/満寿屋MONOKAKI

モールスキンとの決別その3/満寿屋MONOKAKI

モールスキンとの決別、3回目最終回は満寿屋の『MONOKAKI』A5サイズ無地ノートとWILDSWANSのA5ノートカバー『owl』
Masuya Note
まず、ノートの方は満寿屋のクリーム紙と同じで薄いのにフローだくだくでもほとんど裏抜けしない優秀さ。適度に抵抗感のある筆記感。
そして、ノートカバーの使用を想定しているために、表紙・裏表紙と本文紙の間に厚紙が装着されている。この厚紙が、ノートカバーの段差を防いでくれる素晴らしい発明なのだった。
ノートカバーもWILDSWANSですし、革については文句のつけどころもない。1年以上かけてノートカバーをいろいろ探してきたが、最終的にここにたどり着いたというのはなかなか自分を褒めてあげたい。
だがしかし、この二つ、組み合わせることにより問題発生。まず、ノートカバーがまるっぽいため、ノートとカバーの間に大胆な隙間があく。その状態でノートに字を書くと、紙面がぺこぺことへこんだり揺らいだりして、なんと万年筆で顕著なインクスキップが発生するのである。
ノートカバーの遊びについては、これから数年使いこむことによって形が馴染み、もしかしたら解決するかもしれない。まだ使い始めて2ヶ月くらいだし、万年筆が歩み寄るくらいの期間は様子を見ようと思う(フルハルターさんのサイトなんかで見かける使い込んだ革の質感がものすごくかっこいいので、あのくらいになってくれればなあと思いながらすりすりしている)
そしてインクスキップについて。同じ万年筆を使っても、モールスキンや原稿用紙状態の満寿屋(要するにフラットな状態で筆記した場合)では一切同様の症状は起こらないので、やはりこれはインクの所為、万年筆のせいと言うよりも、紙面の状態に起因していると考えられる。
加えて、その時ペンケースに入っていたのはモンブラン#14(B)、146(M)、レインフォレスト(M、パラジウムニブ)、と基本的にはやわらかめのニブをもったものばかり。何かこのあたりに原因があるのではないかと、ガチニブ最高峰モンブラン149(EF)とドルチェビータ(M)を使ってみたところ、インクスキップはほとんど発生しなかった。
よって、紙面のたわみ+柔らかニブのたわみが相乗効果でインクスキップを誘発していた、という結論に達した(146はそんなに柔らかくもないし太字でもないのでそれだけが原因とも断定できないのだが……)
結局、持ち歩きペンケースに入れる万年筆を<ガチニブかつ使い込んでペンポイントが自分好みに摩耗している中字くらいのもの>に変えたところ、いらっとするほどのインクスキップは回避された。owlノートカバーの丸みと隙間が気になる方はお試しあれ。解消するかどうかは自己責任でお願いします。
ノートカバーと満寿屋の組み合わせはとても所有欲なんかも刺激されていいと思うんだが、別のノートを使うにつけ、モールスキンは優秀であったのだなあ、と感慨深く思うことひとしお。今の滲みっぷりは言語道断だが、紙質さえ元に戻ればすぐにでも乗り換えたい。いやまじで。でもできれば表紙の質感も元のしっとりした感じに戻してほしい……ゴムバンドも強めに……

2 Comments

  1. Palermo

    MONOKAKIはそのまま使っていると、表紙の繊維がこすれて面白いさわり心地になりますよ。
    丸善オアゾに見本で置いてあるのがそんな状態になっていました。
    さて、先日amazonの『洋書』のところでMOLESKINEラージのプレーンを購入しました。
    いま手元に3種類?のMOLESKINEラージのプレーンがあるので簡単に比較します…
    ①2年前丸善で買ったもの
    10折り、3箇所綴り。 盛大な裏抜け、ヒゲ。残念な物でした。
    ペリカンロイヤルブルーでも抜けました。
    ターコイズはテラヒドス
    ②木曜日にamazonで買ったもの
    12折り、5箇所綴り。 フローだくだくな万年筆で一部裏抜けしたものの、それでも気にならないレベル。針の先くらいのがチョンチョンと抜けたくらい。ヒゲは少し出ました。
    ①で盛大に裏抜けしていたペリカンのターコイズなどはほとんど裏抜けしませんでした。
    ③…②の状態がいい感じだったのでストックしておこうかと思ってamazonで今日買ったもの。
    12折り、4箇所綴り。 ②より若干裏抜けがありました。
    ペリカンロイヤルブルーはほとんど裏抜けなし。
    ターコイズで若干の抜けがあり。
    それでも①とは比べるべくもないですが。
    ちなみに品質カードは②が00583Sで③が00402Sでした。
    同じamazonでも日本向けは2000円くらいするのに対して洋書のところのは1500円くらい。
    作られた時系列からすると③よりも②があとと推測できるので、徐々に品質は良くなっているのかもしれません。
    プレーンのみの比較ですが何かの参考になれば幸いです。

  2. 深崎

    >Palermoさん
    おおー詳細なレポートありがとうございます。やっぱり品質は元に戻りつつあるのですかね。どうせなら表紙もちょっと柔らかいような昔の感じに戻ってくれればいいのですが。
    しかし、綴りの数が違うってどうなのよ……
    モールスキンとは訣別するとはいいながらも、先日プレーンのポケットと、読んだ本を記録していく奴を買ってしまったので、やっぱりモールスキンが隙なんだなあと思いました。まだこの呪縛からは逃れられない。

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