モンブラン 作家シリーズ/ドストエフスキー その後

<10万円>という理性のデッドラインを超えて、初めて購入した高級万年筆であるところのドスト先生。インクを入れるまでに数日間の逡巡。ようやく決意をしてモンブランのBBを吸入、いざ満寿屋の原稿用紙にペン先をそっと触れさせたところ、なんかおかしい……ぱちぱち鳴っている。10倍ルーペで確認したところ、あからさまな段差発見……!
風雲急を告げる私の精神状態。自分でペン先をむにむにしたら結構よくなった。でも書き味は気になる。でもこれ以上いじったら取り返しが付かなくなるという予感というには確定的過ぎる未来予想図。
川窪万年筆へ行きました。ええ、猫が見たかっただけですよ。三毛猫だと思ってたらキジ猫だったんですって。
ドスト先生の症状を伝えて、あとはずっと猫と遊んでた。ふっと振り返るといつの間にか、ペン先どころか完全分解されてたよ。猫かわいいですwww
首軸の径が狭いらしく、ペン芯のインク溝が圧迫されてインク通りが悪くなっていたらしい。そこで、ちょっと広げてもらって、段差も無事解消した、らしい。見てなかったけど。しかしドスト先生は見違えるようにインクを吐き出すようになったのだった。
「作家シリーズにしては地味ですよねー」
「でもいいペンですよねえ」
なんて話をしつつ、お茶をいただいて猫と遊んで、もしやここは猫カフェなのではなかろうかと錯覚するような時間を過ごす。そして万年筆も治る。ふしぎ!
冗談はさておき、今回はペン先の研磨はほとんどしなかった。「必要ないでしょう」とおっしゃられるほどいい状態だったのだよね。これからじっくり育てようと思っている。でもまだ筆記角度がちょっとシビアなので、モンブランのBBに代わって、粘度は高いがフローがすこぶるよろしい海峡ブルーに変えた。これは書いてるときは暗い青なのだが、乾くと紫寄りになるというなんともセーラーらしい変色インク。当然レッドフラッシュ。しかし最近はレッドフラッシュすら面白く思えてきたので、結構使っている。
ペン先が歩み寄ってきたらモンブランBBに戻すか、いっそフローのいいローラー&クライナーのVerdigrisに替えるか、まだ迷っている。このインクは結構なペンに入れていて、書いたときは緑がかっているが乾くと青くなるという、海峡ブルーと真逆のインク。今一番好きなブルーブラック(?)だ。
以下、前回載せ切れなかった写真を少々。アホほど撮った。テンション上がりまくりで。
Montblanc Limited Edition "Dostoevsky"
インク窓は青い。クリップにもサファイヤ(偽)が付いているので、それに合わせて青系のインクを入れたいのが人情です。しかしそうすると、インクを入れている間はインク窓などなかったかのように軸色と同化してしまう。少し減ってきたくらいのときがグラデーションが楽しめてにやにやできる。
Montblanc Limited Edition "Dostoevsky"
どちらかといえば背景のキャップのボケ具合に注目。
書き味は手持ちの146によく似ていた。ペン先自体が衝撃を吸収してくれるタイプの柔らかさを持っている感じ。サイズもほぼ一緒だし。
ただ、なぜかペン芯が、形は同じなんだけどなんとなくフィンが薄いような気がする。キャップをはめるときとか引っかかってそのまま折れそう。怖い。
Montblanc Limited Edition "Dostoevsky"
サイン別角度。
後ろにあるのは149のBニブ。これにも最初モンブランのブルーブラックを入れていたが、さすがにBだと筆記角度のシビアさが半端じゃないので、海峡ブルーに変えた。縦書きしてるといつの間にか右手が真っ青に染まっているくらいフローがよろしい。ただノートには使えない。太すぎる。やっぱりBニブはアルファベット向きであるなあ、と再確認した次第。原稿用紙に書きなぐるには、これほど気持ちのいいペンはないが。手が染まるけど。
総合的に見て、いい買い物したなあとは思うけれど、結局万年筆の書きやすさとか、万年筆としての性能は10万円以上してもあまり変わらなかった。モンブランだったら146(あるいは149)をベースにして、あとは素材と付加価値の値段だと思う。高いからといって至極の書き味が味わえるわけではないのだよ(未来の自分へ)
まあ、今回のドスト先生はお布施のようなものだから別にいいけど。負け惜しみではありません。そうなってくると結局、オーソドックスなラインが一番いいってことになるよね……でも美しい軸、美しいペン先を見てると欲しくなってしまうのはこれもまた人情かな。お布施だと思って割り切って買うなら別にいくら高くったって構わないかも。せんごひゃくまんえんの万年筆は売れたのかしら。壊れるまでに一度でも、インクを入れられることがあるのかしら。

モンブラン 作家シリーズ/ドストエフスキー その後」への6件のフィードバック

  1. 10諭吉の万年筆スゲー
    ワタクシ、ペリカンのM320ルビーレッド予約しておりましたが
    >この度、メーカー諸事情により現在のところ入荷が未定となりました。
    こんなメールが来ましたよ。
    もしかしてペンハ●スの中の人がオレのクレジットカードの利用状況を心配してヤメにしてくれたのかな

  2. テンション上がりまくりなのが文体からにじみ出てますねw
    インク窓、本当に綺麗な青なんでインクで潰しちゃうのが勿体ないですね。染料系のインクだときっと染まって色も変化しちゃうだろうし。
    先端むにむにですが、こっちもヘンタイ度が上がってきてます。気がつけばルーペ、隙間ゲージ、ラッピングペーパーとなんに使うのか心当たりのない品があたりに散乱しています。ええ、決してペンクリの川口師の手元を凝視なんてしてませんよ
    セーラーのインク、インク工房の石丸氏によると決して粘度が低いわけでもないしフローが良いとも思ってないんだけど、皆さん仰るんですよねぇ何故なんでしょうかねと首を捻っておられました。

  3. ちょっと奥様今月の趣味文ご覧になりました?
    デルタからとっても素敵な赤と青のペンが出てましたわよ。
    デルタ好きの奥様ならきっとお買いになられますわよね。うらやましいわぁ。
    とヘンタイはここまでにして、トスカーナは大阪高島屋で展示してるらしいので見に行ってきます。

  4. >ギャラードさん
    ルビーレッド綺麗ですね……ちょっと食指が動きましたよ。買わないけど。オレンジと緑より綺麗だなあ。目の前にあったらくらっと来ちゃうかも知れません。買わないけど。
    >ardbeg32さん
    自己調整怖い……! 取り返しがつかなくなりそうです。プロに任せるのが一番だと思ってます、私(一度ひどい目に遭いましたので)
    DELTAは私の財布が憎いんでしょうか。トスカーナ美しすぎる。ドルチェのミディアムサイズだったら危険でした。スリムは小さすぎるので買いませんけど。買うなら3本そろえたいし。
    青の方は……なんか似たようなのを海外のサイトで見た気がしますが……なぜ一介の極東の文房具屋の2周年記念でDELTAが限定モデルを出すのか不思議ですけど、カザマモリオモデルもあることだし、そう言うお国柄なのかしら……

  5. トスカーナみて触ってきましたよー。で、なぜか右手にデルタ ビンテージが握られてます。だって軸があまりにも綺麗だったから。後悔はしてるけど失敗はしたと思ってないっ!
    トスカーナ、やはり小さいですね。これで押し出しが良ければ間違いなくそっちを買ってたゲフンゲフン(言霊怖い)
    軸の燃え立つような模様は流石イタ万。ちょっとトリコローレが鼻につきますが、いやいや書き味も含め立派なものです。
    深崎様のおかげで、興味の無かったデルタにすごく興味が出てきました。ありがとうございます。

  6. >ardbeg32さん
    ビンテージいいですよね。一度人にプレゼントしたことがあります。万年筆欲しいって言ったくせに、1年以上インクすら入れていないらしいですが。観賞用なのか?
    トスカーナは……ほんとミディアムだったら買ってたかもゲフン
    デルタ大好きなので、ardbeg32さんも同じ泥沼に片足を突っ込んだとのこと、大変嬉しく思います。うちにある中で今一番書きやすいのはドルチェのミディアムとソラリスです。間違いなく。

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