ここが終点と思っていても、おかしなことに、いつもいつも、終わりが始まりだ
書斎館ひやかし日記

書斎館ひやかし日記

夏だし、猛暑だし、今年からボーナス年二回支給になったし……!
ここ数週間、白軸の万年筆が欲しくてたまらない。具体的にはDELTAの限定フェデリコ・フェリーニの軸色でデザインがドルチェビータだったら最高。フェリーニはキャップとクリップの形が気にくわないのだった。あと、高いし……。
そのような諸般の事情から、白羽の矢を立てたのはやはりDELTAのオールド・ナポリ(ホワイト)だった。なぜかいつも最後に辿り着くのはDELTAなんだが、これは何かの刷り込みだろうか。デザインも、ニブの形(丸い)も好きなんだよね。ハート穴がハートだし。初めてもらった万年筆がデルタだし。
そう言うわけで熟慮に熟慮を重ね、よっしゃあ行ったるで、と思ったら祝日は金ペン堂が休み。でもどうしても今みたい、と言うことで、かねてからの懸案事項であった青山書斎館に赴くことを決めた。
そもそもが田舎者だから、東京は怖いんです。おしゃれ参道とかおしゃれ青山とか、のこのこ出掛けていったら後ろ指さされちゃうよ! ってくらいに思っている。びくびくしながら半蔵門線に乗ったら車両故障で各駅停車の時間調整。らちがあかないので銀座線にお乗り換え。この時点で、おかしいと気付くべきだった……。
ようやく辿り着いた表参道は別世界でした。人がいっぱいいる……今日はお祭りか何かですかね? なんか生活水準の高そうな、エンゲル係数の低そうな人がいっぱいいました。肩身の狭い思いをいたしましたが、何とか骨董通りに辿り着き、店の入り口に立つ。
ペンブティック、との名の通り、綺麗なディスプレイだった。雑誌で眺めてたような限定品とかが美しく配置され、光を受けている。この見せ方は上手いなあ、と思った。欲しくなる、と言うか、美しい。美術品を眺めているような感覚。
もうちょっとヴィンテージが沢山見られるかと思ったらそうでもなかった。ほとんどは現行品だった。ちょっと残念。
しかも、かなり大きめのデルタコーナーがあるにもかかわらず、オールド・ナポリの取り扱いはございません。1本たりとも。その時の私の絶望と失望と一握りの安堵を想像してみるがいい。危なかった、もし在庫があったら……! 私の財布の紐はあの時緩かった。
今はまだ、オールド・ナポリを我が篇ケースに迎える時期ではないのかも知れない、と肩を落としてすごすご店を出る。表参道を歩いて副都心線の駅に辿り着く。外国人の人が沢山いた。あと、なんかお祭りみたいだった。副都心線は本当に地下深くにホームがあって、今ここでテロなんかで爆発があったら地上までどうやって逃げたらいいだろうと恐怖に駆られた。東京怖い。上京してもうすぐ10年近くになるけどまだ怖い。
書斎館はなんだか綺麗すぎて気後れしてしまった。丸善の高級感にさらにおしゃれ青山の雰囲気をプラスしている感じ。客層も年齢が若そうな気がする。イメージだけだけど。
結構面白かった。雑誌でしか見たこと無かった店に行こうと思えばいけるというのはなんだか不思議なものだなあ、と、田舎生まれ田舎育ちの私は思ったのでした。
オールド・ナポリはいずれ金ペン堂で(ry
割と本気だったのに、結局ひやかしになってしまった書斎館探訪日記。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です