ここが終点と思っていても、おかしなことに、いつもいつも、終わりが始まりだ
中屋万年筆(シガーロングと十角)

中屋万年筆(シガーロングと十角)

中屋万年筆は現在2本所有していて、シガーロングの黒溜十角碧溜なんだけど、これがまたものすごく書きやすいのでかれこれ数年、ずっとインク入れっぱなし。逆に入れっぱなしだから書きやすくなってんじゃねえの、って思うんだけどまあ正直どっちでもいい。中屋万年筆はすごくいい。

最初の1本はシガーだった。この形に一目惚れして、衝動を抑えきれなかった。このシンプルな形状と、漆のさわり心地が私的にベスト。最初のペン先は太字で、なんか使いにくくて、ミュージックに交換してもらったものの登場機会がめっきり減って、もったいないなあと思いつつ、細軟に再び交換したらそれからもうずっと使ってる。紆余曲折がありすぎるし、金額的にも正直自分馬鹿じゃないかと思ったりもしたけれど私は元気です。

そんで、まあ大満足してたんだけど、ある夜にノートに向かってぼーっと考え事しながらシガーの軸をくるくる回してたらそのまま寝てしまった。そのときに気付いたんですよね、ああこの感触めっちゃいい……って……(いいわけ第一弾)

そしてにわかに上昇した中屋熱が醒めやらぬままに突っ走ったのが十角碧溜。虎の廻り止めつけちゃったりして。

かっこいいから仕方ない。ここは猫だろう、っと思ってたけど、虎の写真を見たら虎しかないと思った。むしゃくしゃしてやった。反省はしていない。

かっこいい……かっこいいのにしがみついてる手と、お行儀よく揃えた足がソーキュート……燻し銀の名の通り、購入して数年、一度も磨いてないけどいい感じに黒ずんで参りました。名前は寅彦です。

字幅は、シガーが細軟で十角が中軟。しかも中軟の方は調子に乗ってルテニウムメッキなんかしてしまった。ガンメタルっぽい色がかっこいいからだ。

正直な話、プラチナの普通のペン先の書き味があんまり好きじゃなかった。でも中屋の軟ペン加工はちょっと魔改造っぽくて尻込みする……そこで細軟、中軟ですわ。結果大正解だった。ちょっとビンテージニブっぽい当たりの柔らかさがありつつも、不具合あっても修理対応して貰える安心感(最近ビンテージ万年筆を使わないのは修理対応してくれるところが減ってるからってのは割とある)

細軟、細すぎない……? と思ったけどフローがよいので書きやすい。軟調ニブだからガリガリもしないし、まあガリガリ書くのも楽しいんだけど、普通のペンケースに入れると頭一つ出ちゃって蓋が閉まらないくらい長い万年筆のペン先が繊細な細字って……素敵じゃない……? みたいな自己満足ある。

中軟は、紙に当たったときに細軟よりペンポイントがぐわっと開く感じがあるけどその戻りもよくて書いてて面白い。というか書きやすいし、文字を殴り書きする私にはちょうどいい書き味だと思う。なんせ書いてて気持ちがいいから愚にもつかない脳内会話を延々書き出せる。一人ブレインストーミングはかどりすぎ。楽しすぎ。

で、何故今頃こんなことを長々と書いているかというと、また中屋熱が再燃しているからです……周期的に来るなこれ……もう2019年の忘年筆には間に合わないけど、来月誕生日だし……とかなんとか。

LAMYのDialog3欲しいなあ、とぼんやり考えていたんだけれども、えっどうせなら中屋でよくない? 外れのペン先を引いたり調整が必要だったり意外とクリップが持ちにくかったりあー別に仕事で万年筆使わなくない? メカニカルペンシルでよくない? そもそも万年筆を射すポケットとかなくない? みたいなことをつらつら考えてたら「中屋でよくない?」って私の中の悪魔が(ry

そうなってくると問題は軸をどうするか。好みの形はシガーだけど、既に持ってる。ここはひとつ冒険してネオスタンダードに行くべきか、ピッコロもいいけどちょっと私には短いんだよなあ……あっ軸は緑溜で廻り止めは猫っ(燻し)て決めてるんです。ペン先は多分中軟(たぶん)メッキはまあしてもしなくても……ルテニウム中軟だと十角とかぶるから……ロジウムは面白くないし……いっそピンクゴールド……?

そんな風に堂々巡りしながら中屋万年筆のサイトを眺める毎日です。年末にかけて暇ができるからなおさらヤバい。

最近は、木とか漆とか、触り心地とか気持ちよさとかでものを選ぶようになってきた気がする。デザインも大事だけど、要するに自分が使っててテンションが上がるかどうか? が重要になってきた気がするなあ。使って楽しいとやることも捗るし。年齢のせいか昔みたいな勢いがなくなってきた分、自分をなだめすかして動かすのにエネルギーが必要になってきた(いいわけ第二弾)

しかし中屋万年筆はとてもよいものだし、メンテナンスして貰えるのがものすごく心強い。その安心感にちょっと高い金額払ってもいいとすら思うわ(いいわけ第三弾)

3 Comments

  1. orion

    久しぶりにアクセスしたら、移転されたようで、お久しぶりです。

    中屋熱、再びとのこと。
    もう注文済みかもしれませんが、背鰭モデルはいいですよ~。
    廻り止めをつけるのであれば、除外になってしまうんですが、軸がシガーより一回り太くて、手によくなじむんです。
    すこし重さもあって、バランス良いですよ!
    最近、定番として注文できるようになったようですし、緑溜もありますし。
    情報まで。

    甘木さまの気に入る仕様が手に入りますように・・。

    1. 甘木

      どうもご無沙汰しております。お久しぶりです。お元気でしたか?

      背鰭モデル、かっこいいですよね……シガーより一回り太いってすごいな。イヤしかし今回は廻り止めをつけたので、シガー(ライターかな)とネオスタンダードで迷いに迷って結局シガーにしてしまいました。ピッコロもよかったけど短すぎて……持ってない軸を狙った方がよかったのかもしれませんが、シガーのあのシンプルイズベスト! みたいな形大好きなんですよね……

      5~6ヶ月かかるとのことで、今からもう楽しみにしております。それまではなんとか……理性を保つぞ……

  2. Pingback: 中屋万年筆 評価 ?

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