ここが終点と思っていても、おかしなことに、いつもいつも、終わりが始まりだ
VISCONTI オペラ・マスター デモ レインフォレスト(使用篇)

VISCONTI オペラ・マスター デモ レインフォレスト(使用篇)

前回の続き。
VISCONTI OPERA MASTER-DEMO "RAIN FOREST/CLEAR"
最初、ボディの表面に模様が入ってるだけかと思ったら、厚みのあるアクリルの中に立体的に模様が溶けてる感じだった。青→緑→黄色のグラデーション。なんか孔雀の羽みたいで綺麗……
模様は当たり外れがありそうだったから、通販の宿命、外れても諦めようと思ってたけど、結構バランスがいいと思う。良かった。
VISCONTI OPERA MASTER-DEMO "RAIN FOREST/CLEAR"
ニブサイズはM。ペン先はバイカラーで、こちらも色分けされた模様が可愛らしい。
……ペン先、「23K Pd950」って書いてあるんですけど(拡大画像はこちら)。
こことかの商品写真を見ると「18K」になってる。大体どこの情報もペン先の情報は18Kになってるし……もしかしてこれ、噂の「23カラットのパラジウムペン先」って奴じゃね?(情報元はこことかこことか)
VISCONTI OPERA MASTER-DEMO "RAIN FOREST/CLEAR"
箱の中に入ってた保証書みたいな奴にも18Kって明記されてるし商品写真もばっちり18Kってペン先に書いてあるし。
これってもしや、ニコイチ……というか、ニブだけ他のと付け替えてね? だったら思いっきり曲がったペン芯にも納得がいくし、値段が安かったのも頷ける……まー箱も違うし。ボトルインクついてきたし。
海外のパラジウムニブのレビューとか見ると「M1000みたいだぜヒャッホウ」みたいな書き込み多いし……多分そうなんだろうな……私もそう思うもの。
VISCONTI OPERA MASTER-DEMO "RAIN FOREST/CLEAR"
149と比較wwwでかいwwwでも長さでは中屋のシガー・ロングには敵わない。中屋の方が1cmほど長くて、レインフォレストはちゃんとDELTAのペンケースにも収まるいい子www
重さは、キャップなしの状態でも149よりは遙かに重いが、私は重くて太いペンが好きなのでむしろ大歓迎。
VISCONTI OPERA MASTER-DEMO "RAIN FOREST/CLEAR"
インクはR&Kのヴァーディグリーズを入れた。今のところ、私が持っている中で最もフローが良く、ペン先が歩み寄ってくるまではこれを使うことが多い。
で、多分これはパラジウムニブであろうという前提の元に書き味をレビューすると、やっぱり「M1000によく似てる」。ふわっとした感じで、弾力もある。だがへにゃへにゃではない。筆圧をコントロールすればかなり抑揚のある文字が書けるだろう。よって、私のように筆記スピードが速い使い手が、長時間書き続けられるものではない。
その代わり、1文字書くごとに立ち止まって「本当にこれでいいのか?」と自問自答しながら文章を綴るのに向いている。ペン自体も重いしな……ただ重さに振り回される感じじゃなくて、しっとり手に馴染む感じ? とにかく私は存在感のあるペンが好きなんだからしょうがない。でかいし重いし、女性の手に合うようなもんじゃないかもな……
ペン芯はずれているが、フローがすこぶる良かった。まあインクのせいかもしれないけど。縦書きすると右手が汚れるくらいにはつゆだくである。おかげさまで濃淡はあんまりでない。
(ちゃんと)18Kのニブがついてたらどういう書き味になったかは知らん。ビスコンティこれしか持ってないし。ガチニブだった、という話を聞いたりもしたので、もしかしたら逆にパラジウムだったらラッキーだったのかも知れない。負け惜しみじゃないよ! 書き味自体は気に入ったので。ペン芯ずれて少しペン先に段差があるけど。ニブ全体にしなりがあるから、段差自体はあんまり気にならなくなった。でもどうせ付け替えるならさー、いっそBニブに取っ替えてくれれば良かったのにねー(ほんとはBがほしかった)
噂のダブル・タンク・パワー・フィラー。リザーブタンクは面白い。頑張って吸入しても半分くらいしか入らないので、リザーブタンクの中で常にインクが流動しているところが見える。面白いからペン先を傾けたりしてずっと見ている。
でもフローがいい所為なのかどうか、メインタンクの中のインクがすぐになくなる。そうなったら尾栓を緩めてちょっと引っ張り出すとメインタンクにインクがどばっと流れ込む。この儀式は面白い。ONOTOで言うところの「書く前に尾栓を少し緩めておく」という作業がこれに当たる、と思う。厄介だし面倒だが、その一手間が愛着を湧かせるというか。そもそも実用性考えたら万年筆は使わねえだろうし。
あと、首軸が金属パーツの万年筆って初めて使ったんだが、これが持ったときには冷たくて、だんだん体温でぬるまってくるのが、なんか可愛い。このパーツのせいで、重みのバランスが後ろに行きすぎず書きやすくなってるんじゃないかなあと思う。
総論。
レインフォレスト(仮)は重さの割りにはとても書きやすい万年筆だった。結構好き、でもポジション的には実用ではなく趣味っぽい。
(仮)の件については、まあ英語もろくに喋れないのに海外通販したんだからこれくらいのことは想定内としておこう(そもそも本当に付け替えたかどうかは知る由もないことなのだ)(濡れ衣だったらすいません)
でも結構いいですよ、このパラジウムは。ガチニブとふわふわ、実用性で言ったらガチの方が自分には向いてると思うけど、これはこれで面白い。10本のうち1本くらいはあってもいい。これで別に腱鞘炎がひどくなってもしょうがないよね……

6 Comments

  1. ardbeg32

    重い軸大好キーな私が通りますよ。以前持ってたゴッホはどうにも書き味が好きになれなくて、某ペントレでセーラーの銀軸とトレードして頂きました。
    アクリロイドはモリタさんで持たせて頂いてその重みがすごく気に入ってたので、今深崎様に怨念の電波を放射中です~~~ウラヤマシス~~~
    パラジウム、よさげでいいですねぇうらやましぃですねぇいいもんこっちも柔らかいと評判のパイロットカエデ10号手に入れたもんくやしくなんか・・・orz
    インク、何かと噂があるトラベルインクポットを使えば限界まで吸入できるそうです。でも限界まで入れたらいつインクが切れるのやらw
    ペン先入院されるのでしたら、触れたらインクが出る位にされては如何でしょうか?(今もドボドボイスキー?)自分のSFニブはそう調整してます。ペン先のコントロールに振り回されなくなってスラスラしゅたたーっとミミズ字で書き殴っています。筆圧高い人には超書きにくいそうですが。

  2. ウサっ子三昧

    いいなあ、パラジウムペン先。
    海外通販の醍醐味じゃないですか、そういうのもwww
    ほしくても買えないもん。英語偏差値40台だった私は、今NHKの「リトル・チャロ2」のチャロのかわいさにハマって今頃英語の勉強してますがwww
    先日お世話になった?デルタのパッション、届きましたよ!
    やっぱりすごくきれい。ルックスは手持ちのペンの中でダントツでナンバーワンです。きれいな上にかわいい。
    しかもキャップに適度な重みがあるうえ、首軸のすぐ後ろにシルバーのリングがあるのでキャップをつけて書く私には好バランス。
    見た目よりもずっしりとした重みがありますね。
    で、肝心の書き味。
    セーラー「桜森」←あれ?なんかインクの出が悪くない?
    モンブランシーズンズインク←うわ、ステイピュラとおんなじじゃん!(モンブランのインクとステイピュラのペン芯の相性は最悪。全く書けない)
    色彩雫「躑躅」←うーん、なんとか書けるかな?
    Bニブですが、手持ちのプロフィリのMニブのちょっと太めかな?という程度の太さです。ですがペン先が斜めになってて書きにくいwww
    もともと研ぎに出す予定だったのでいいのですが、さすが現品特価wwwと一人でウケてしまいました。ルーペなんかで見たら一発だもん。
    でも、いろんな偶然を経て私の手元に来てくれたパッション。
    大事にします。
    深崎さん、ありがとうございました!

  3. 深崎

    >ardbeg32さん
    怨念の所為かどうか、インクが時々途切れます。入院予定はまだ先です……「触れたらインクが出る位」はいいですねえ。今でもどぼどぼですが、時々つむじを曲げるんですよ。
    トラベルインクポッド、かっこいいけどトラベルしないので今のままでいいです。いっぱいに入れると、せっかく透明な胴軸が「ただの黒い棒」になってしまいますので……
    パラジウム、面白いです。本体のバランスもいいし、いいペンですよ、これは(怨念返し)
    >ウサっ子三昧さん
    パッションおめでとうございます! あれ、実物見ると美しいですよね。インクの出については、うちのソラリスも最初は全然ダメで何度か調整を繰り返しましたので、無調整デルタの宿命かと思います。調整が待ち遠しいですね。
    Bニブ羨ましいですwww私もオーバーサイズを買うとき、Bにしていっそスタブに調整してもらえばよかったと後悔しました。まだ悔しい……
    このブログが、ウサっ子三昧さんの物欲解放の一助になれば幸いです。全員泥沼に引きずり込んでやりたいニャー。

  4. ワンネス

    はじめまして。
    いつも楽しく読ませて頂いています。
    唐突ですが、参考にでもなればと思い書き込みます。
    ペン先の「23K Pd950」という刻印。
    これは23金に950パラジウムメッキ、という意味かもしれません。
    パラジウムメッキはジュエリーの世界では一般的です。
    プラチナ地金の製品などははとんどパラジウムメッキを施されているんですよ。

  5. ardbeg32

    http://item.rakuten.co.jp/hunnyhunt/vsf-opera-honeyalmond/
    http://item.rakuten.co.jp/hunnyhunt/opera-winter_romance-palladium/
    オペラには「 23カラット パラジウム ペン先 」の設定がありますね。
    私のヴィスコンティゴッホミディアムも、本来スチールの設定しかないのに14金のがついてきてお値段同じって大ボケカマしてましたからヴィスコンティはこのあたりおおらかすぎるんでしょうね

  6. 深崎

    >ワンネスさん
    はじめまして、コメントありがとうございます。
    そうか、23金という可能性もありましたね。だったらいいな、と思いまして改めて調べてみたところ、多分、ビスコンティが作ってるのは「23カラットのパラジウムで作ったニブ」みたいです……ちょっと残念(なんとなく23金のほうが高価そうだったから)
    パラジウムって初めて聞いたんですが、ジュエリーの方では普通だったんですね……もしや私の結婚指輪もプラチナなのでパラジウムだったかもしれません。なんかいきなり親近感が沸きました、パラジウム。
    勉強になりました。どうもありがとうございました。
    >ardbeg32さん
    ビスコンティさんはさすがイタリア男、って感じですよね。レインフォレストしか持ってないけど。

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