ここが終点と思っていても、おかしなことに、いつもいつも、終わりが始まりだ
ドクター・ヤンセン/ゲーテ

ドクター・ヤンセン/ゲーテ

レーシング・グリーン廃盤騒動以来、そう言えばモンブランは結構インクの入れ替わりが激しいし、いつこれがなくなるか分からない……と物欲に裏打ちされた焦燥感に突き動かされ、ダーク・グリーンだというヤンセンのゲーテを入手してみた。
Dr.Jansen johann wolfgang von Goethe
今は、先日熱病のような精神状態で購入したモンブランの242に入れている。ゆえあって川窪万年筆さんで調整を受けた242は過剰なまでのフローの良さでとても気持ちよく書けるので、正直このインク自体のフローがいいかどうかは分からない。ただ、ガラスペンで書いたときに、細い溝に絡みつくように上ってくるインクはだいたいフローが優秀だ。科学的根拠はないが、その持論によるとゲーテは多分フローはいいはず。
Dr.Jansen johann wolfgang von Goethe
レーシング・グリーンよりは緑が少ない、と言うか控えめ。乾いたあとに黒っぽさが強く残る。色の薄い部分に残る緑が、レーシング・グリーンよりは彩度が低い感じ。
しかしこのインク、気に入りました。242で使うとヴィンテージの渋さと相まってとてもレトロな雰囲気に浸れる。ヤンセンじいさんにはがんばって欲しいと思います。そして、インク工房で作ってもらったオリジナルインクにもの凄く似ていることに気付いた。要するに、私の好みの色なんだと思う。しかしじっくり見てみるとどの色にも個性があるので、にやにやしながら使っている。

3 Comments

  1. takaya

    >242で使うとヴィンテージの渋さと相まってとてもレトロな雰囲気に浸れる。
    素晴らしい筆跡ですね。濃い目のグリーンインクとオールドモンブラン。実に絵になってます。
    小生も中太スタブニブのモンブランかペリカンを物色しつつ、魔道の溝へと深く静かに潜行していく自分が恐ろしい。
    実は今日初めてWAGNERの例会に行ってきました。
    皆さんの自慢の逸本や貴重な情報をインプット出来た有意義な一日でした。開催されていたペンクリで、所有する149EFのペン先を根元の149の刻印が見える位置まで出して貰いました。少し柔らかニブになり、今日一番のの〝にやにや〟です。

  2. takoyaki

    自分もゲーテを愛用しています。色も最高にいいですが、たしかにフローも良いと思います。自分の中では、エルバンのモクセイソウグリーンの次にフローが良いのではないかと感じています。
    なので、万年筆自体が渋いものに入れるとちょうどいいかんじと思い、いまはマーレンのBに入れていますが、たいへん快適です。このインク、吸って最初のうちは緑が目立つ感じですが、後半は煮詰まってくるのか、黒が強くなるような気もしています。

  3. 深崎

    >takayaさん
    一緒に溝にはまりましょうよ!
    149はおめでとうございます。うちのも引っ張り出してみようかな、いやでも今の書き味気に入ってるしなあ、と悶々としました。なんだかんだ、149って王道の書き味ですよね……Mにしとけばよかったかなあ、とまだ迷ってたりします。
    >takoyakiさん
    あーそうか、フローが渋めの奴に入れればいいのか。そう言えばそうですね、目から鱗が落ちたようです。さしあたり146とか……中屋とか……ゲーテはよい色ですね。作家のゲーテも好きなので嬉しいです。煮詰まった色もそろそろ経験できるかな。情報ありがとうございます。

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