ここが終点と思っていても、おかしなことに、いつもいつも、終わりが始まりだ
趣味の文具箱 Vol.27とノートについて

趣味の文具箱 Vol.27とノートについて

今回の見所は、
1.中原中也の直筆手紙写真
2.コクヨの装丁ノート(帳簿用紙)
の2本立てだった。特に中原中也の手紙!
最近はメールもあまりせずにLINEとかメッセとかでリアルタイム対話式の文章コミュニケーションばっかり取っていて、この「手紙」という、<一方的な近況報告>を・目の前にいない相手を想像しながら・独白する、という行為を全くしなくなっていたことに気が付いた。すぐにリアクションが返ってこない、相手がこの文章を読んでどう感じるか分からないままに暗闇に向かって走っているような不確かな感じ……この感覚、忘れてたなあ。
手紙は、小林秀雄に宛てて書かれたものだったが、内容もさることながら締め方も格好いい。

君に会いたい。
              左様なら
                中也

こんな格好いい手紙を誰かに書いてみたいものですが、残念ながら私には、「ドストエフスキーの虐げられし人びとを読んだ。面白かった」なんて報告できるような友人はいないのだ……
経年変化で黄ばんで劣化した紙、色あせ始めたブルーブラックのインク……やはり手書きはいいですなあ。現代作家はみんなデジタル入稿で、50年後、自分の直筆生原稿がこんな風にして発見されたりする楽しみがないのが可哀想だと思うなあ。ロマンがないよね、PCのデータが残ってたってさ……まあ、安部公房の死後、愛用のワープロから発見された絶筆「飛ぶ男」もすごく格好いいし浪漫があったけれどもね……
コクヨのノートは、なんか帳簿用紙を使ったA5サイズのノートらしい。装丁ノートだって。やだ……かっこいい……と思ったけどA5しかないのか。方眼と罫線があるらしいです。A5は無地がいいから、B5サイズとかあったら買ってしまっていたかもな……
で、ノートと言えば、先日野暮用()で日本橋丸善に行った時、面白げなノートを見つけたので捕獲してみた。
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メーカーとか分からなかったけど、OKフールス紙使用、って書いてあったので買ってみた大学ノート。中身は罫線で、ツバメとは違ってクリーム色の本文紙。罫線はB罫とおもわれる。
調べてみたら、MDSという会社の製品だった。大学ノートのバリエーションが結構あるようだ。クリームのフールス紙のノートって意外と見当たらないから、これはよい買い物をした感じ。どうもツバメの白さが目に痛いんだよね……PENCOのはペンギンが可愛いからいいけど……
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普段、リングノートは買わないが、カキモリで何かテンションがおかしくなっていたのかも知れない。「職人という名のノートです」って言われたら買うしかない。
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ノートの名前はアルチザン。ドルチェビータの解説ページでいやって程名前を聞いてるから読めるようになったぜ。
協和紙工株式会社と言うところの商品らしい。製品仕様はこちらだが、PDF注意!
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中身は、LIFEのノートに似てる。クリーム色でつるっつる。でもこしのある分厚い紙で、裏抜けとかはしなさそうな雰囲気。コーティングがなめらかすぎて苦手なタイプかもしれないがなんか表紙がかっこよかったのでつい買ってしまった。罫線、無地、方眼があった。B5サイズ70枚で840円。このクオリティにしては安いよね……
そんな感じで、久しぶりの日本橋丸善から帰ってきた。あと満寿屋の原稿用紙とかも買ったけど。アピカの紳士なノート、クリーム紙の在庫があんまりないのはなんでなんだぜ? シルキーよりこっちが好きだから、できればクリーム紙でも全サイズ展開してもらえませんかねえアピカの紳士な方々……

4 Comments

  1. palermo

    ツバメノートによく似たノートって結構ありますね。
    私が半年くらい前からツバメノートだとばかり思っていたものは、実はヂーエヌノートだったと数日前に気がつきました。
    勘違いの発端は北欧の匠でのこと。
    ハンスオスターの作品を見せてもらっていたら、開けてもらった引き出しの中にソフトノートカバーを発見。
    見せてもらうと、なんとツバメノートにぴったりなハンスオスター製カバー。
    実際は、諸外国では多いらしいA5サイズのブックカバーだけど、日本だとほとんどそのサイズのソフトカバーの本は無いからツバメノートを入れてみましたとのこと。
    その瞬間、閃きました。
    万が一フェンテノートが切れても、このカバー買っておけばツバメノートがある限りハンスオスター製のカバーを使い続けられるじゃん?
    さっそく売ってもらい、中のノートはサービスでくださったのでそのままカバーはずすことなく使っていたのですが、数日前の夜のこと・・・
    古事記をもとにノートに書きだした人物相関図を眺めつつ日本書紀を読み進めていたときのこと・・・あれ、普通のツバメノートにクリーム色のOKフールスなんてあったっけ?・・・と気がついたのでした。
    カバーをはずしてみるとGNというマークが。
    これツバメノートじゃなかったんだ!とようやく気がつきました。
    ちなみに、itoyaの値札が貼ってありましたので、itoyaで買えるものと思われます。
    アピカの紳士なノートは、クリームは最高ですね。
    シルクは万年筆だと裏抜けするのが残念です。
    なんでクリームがいつも品薄なのか・・・やっぱりボールペンで書いたときに筆記感に差が出るのはシルクだからなんでしょうかね。
    万年筆ユーザーは断然クリームだと思うのだけど。

  2. T.Sノートですね。
    このノート、大学時代からずっと愛用していました。
    卒業後、地元の文具店では取り扱いがなく、しかも調べてみると製造元の会社は倒産してしまったとのこと。
    大量に買い込んでいた在庫もなくなってしまって寂しい思いをしていたのです。
    ところが数年前に、倒産した会社の製造ラインを別の会社が引き継いで細々とT.Sノートを製造しているという噂が…。
    早速その会社に問い合わせて、丸善日本橋店で取り寄せできることをつきとめました。
    問い合わせした当時は、その会社T.Sノートにはあまり力を入れていないようでしたが、近年は少し事情が変わったようです。
    入手できなかった間、仕方なく他の大学ノートを使ってみたりもしましたが、やはりこれじゃなきゃだめなんです!
    昔は100ページの分厚いバリエーションもあったんですよ。
    このノートのファンが増えて、また手軽に入手できるようになって欲しいです。
    以下は作家の堀江敏幸氏のお気に入りノートとして紹介されていた記事です。
    http://www.mds-japan.co.jp/news/100610.php

  3. 中性紙クリームフールス使用のツバメノートありますよ。
    http://www.tsubamenote.co.jp/product.html#kuriimu
    私が購入したのはKB4(止罫)、B5で8mm幅30行、価格250円のです。
    万年筆でなら8mm幅のほうが私的には使い易いです。
    それにツバメノートはリーズナブルなのでσ(^_^;)
    綺麗なクリーム色でした。
    他にもカラーの表紙で高級クリームフールス使用のが出ているようです。
    ご参考までに。
    もし既にご存じでしたらすみませんm(_ _)m

  4. 深崎

    >palermo さん
    似てますよねwww
    ……え、ハンスオスター? の、A5サイズのカバー……? あ、吸いませんちょっとよく聞こえませんでした。でもブックカバーってことはハードカバーじゃないんですよね。大丈夫です、安心しました。大丈夫……しかし北欧の匠(悪魔の館)は侮れないですね、今年中には1回くらい行かないと駄目かも知れないです。フェンテのノート欲しいし。
    全然関係ないけど、古事記、名前が覚えられなくて困ります。これが暴走万葉仮名の元祖じゃねえの……と思うことしきりです。そうか、相関図を自分で書けばよかったのか……
    >usausa87 さん
    このノート、なんか佇まいが格好いいですよね……私、学生時代はキャンパスノート(B5、B罫)一択でしたが、こんなノートあったらもっと勉強真面目にやってたかもしれないですよ……
    あと今気付いたんですが、PENCOのB5ノートよりちょっと背が高いんですね。ペンギンの方が変形B5なのかな……
    >朔さん
    情報ありがとうございます。これ、見たことありませんでした……今度探してみようと思います。B罫出して下さいお願いします>ツバメさん
    COMFORTの方は使ったことあったんですが……ツバメさんは安くて、なおかつツバメが可愛くて良いですね。
    なんとなく、ブルー系のインクはクリーム紙の方が映えるような気がしてるんですがね……各メーカーさんお願いしますよ。特に紳士なノート、クリーム紙のサイズ増やして下さいよ……

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