日本橋の、丸善 世界の万年筆店りに参戦してきた。大橋堂からメンテナンス葉書をもらったので、まあ住所変更のご報告も兼ねていかなくちゃな、と思って……ちなみに今年は日本橋三越とは間違えなかった。3回目にしてようやく体得。
地下から入って、なんか「手書きの魅力を伝える」というサブタイトル通り、B1エスカレーター近くに満寿屋の原稿用紙とかSOLAのノートとかストーンペーパーのノートとかが平積みになってた。でも今回の目的は第一に大橋堂なので、わき目もふらず1階へ上る。
葉書をお返しして、万年筆のメンテナンスを待つ間、そりゃあ目の前にある万年筆を触りますよね。大型ペン先のやつとか使ってみたいじゃん。今回、玉虫塗の大型ペンはなかったのでセーフ。試し書きのとき、病的に紙いっぱいに「東京都」と書き続けたのは私ですすいませんでした。いや他に何も思いつかないというか、なんか恥ずかしいから試し書きのときは住所とか書いちゃう。好きな言葉とか書けばいいとかファジーなこと言ってたら、次の客ににやにやされちゃいそうで怖い。私なら確実にニヤニヤする。
ちなみに所有している大橋堂の万年筆は3本。すべて小型ペン先のついているタイプだったのだが、前回の祭りで大型ペン先のものを使わせてもらって以来、なんかあの微妙なふわふわ感が忘れられなかったのは事実。書きなぐるタイプだからペンのタッチは堅い方が自分に無ているとはわかっているんだが、M1000とかビンテージのモンブランとかのふわふわ感、あの跳ね返ってくる感じ、も、実は大好きなのだった。
大橋堂の小型ペン先、特に極細~細字は、硬い。細軟であろうが硬い。それはそれで書きやすいんだけど、大型ペン先はまた別物のような感触なのですよ。同じS-Fなのにね?
そういうわけで、まあ、今回は「自分の快気祝い」という大義名分がありましたので。
桐の箱。正直、家にいくつあるんだよ……と思った。猫がものすごくにおいをかいでいて、隠し場所から引っ張り出してまで床に落としていた。落とした後は興味を失ったようだった。なんなのあの子……
だいぶ前から作っているという、オーソドックスなPCI型。黒い漆がかっこいいです。「快気祝い」ということで朱色の方を勧められたのだが、なんかあれ系の色はモンブランのコーラルレッドで満足しちゃってるし、やっぱりここは潔く黒だろう、と、15分以上は悩んで決断した。黒・金という組み合わせは最近大好物ですよ。まあ、他の万年筆がみんな梨地、津軽、玉虫塗、と派手なのばっかりだからちょうどいいかなと。
津軽塗と長さの比較。やはり大きいです。同じ値段でキャップトップの形が違う軸もあったんだが、ちょっと短かったし、キャップトップはフラットなのが好みなので最終的にはこちらを選んだ。キャップを付けずに使うには、このくらいの長さがちょうどよさそうだったし。
エボナイトに黒漆。表面のぶつぶつがあるから薄く塗ってあるんだそうですよ。コのぶつぶつは滑り止めなのかな……いやしかし、津軽塗と比べてみると潔いデザインだなあ。形はほぼ一緒なのに。
大型のペン先。一回り以上でかいです。刻印などは一緒。それだけでこんなに書き味が違うのだなあと感心した。ニブサイズはどちらもF。Mくらいでもいいかなと思ったけど、なんか最初に試し書きしたこの書き味がものすごく気に入ってしまったので。でもMも試させてもらうくらいはよかったかもしれない。まあ、後の祭りってやつですね。
キャップリングの金色とクリップの金色が、なんか全体的に親父くさい……というか万年筆っぽい。なんかすでにアンティークの風格さえありそうな佇まい……朱色の方も、ずっと使ってたら経年変化で面白く変わるのかもしれないけど、黒は黒で地味でいいよね。
ニブサイズはF。最近細字が好きなんだよなあ。一過性のブームかもしれないけど。
インクは、ちょうど当日に届いたDiamineのBlue blackを入れてみた。チャレンジ。色味については後程別記事を書こうと思うが、いやーなんかやっぱりいいですね!
店頭で試し書きをした時よりは若干硬い印象がある。線が細く出るのは満寿屋の原稿用紙を使っているせいもあるだろうが、やはり店頭と自宅の机では姿勢も違うし印象も変わってくるのかもしれない。うん、でも、軟らかさで言ったら
M1000>146(テレスコープ)>大橋堂>>越えられない壁>>>>M800
みたいな感じかな。M1000とはまた軟性のベクトルが違う気もするが。どちらかといえば、テレスコープ146に近いかなあ。ふにゃっとしなるんじゃなくて、金属自体に柔らかさがある感じ。うん、よくわかんない。
相変わらずクリップでかいなーとおもいつつ、メンテナンス中は万年筆よりもバイオハザードの話題で盛り上がってしまったのは秘密です。まあ快気祝いだからいいよね、と自分を納得させつつ終了。
はじめまして(・ω・)੭ु⁾⁾
快気祝いおめでとうございます。
大橋堂(´・ω・)いいなー
はじめまして。
大橋堂良いですよね、
先月に学生の身分でありながら衝動買いしてしまいました。
ちなみに、横についているs-fとかの記号は
「セーラーが勝手につけてくるので、私たちも良く分からないです。」と
担当の方がおっしゃっていました。硬さには関係ないそうです。
どうもペン先ユニットはセーラー、
玉の溶接は大橋堂ということみたいなので、
(ペン先の型は指定しているそうですが)
あと昔は、横に刻印は無かったそうです。
余談ですが、大橋堂のクリップを外してしまって
その隙間を削るということも大橋堂はしてくださいますよ。
以前そのような記事を見かけた気がしましたので
乱文、失礼いたしました。
>えふねこさん
はじめまして、コメントありがとうございます。
いいですよ、大橋堂w
快気祝いは本来自分にするものではない気がしますが、セーフ!
>関船さん
はじめまして、コメントありがとうございます。
S-Fは細軟だと思ってたんですが違うんですね。たしかに小型の方は堅いですしねえ。今回購入したものは横刻印がないので、もしかしたら古いものかもしれないですね。勉強になりました、ありがとうございました。
クリップに関しては、直接お話したことがあります。まあ「いつでも取れるよー」ってことなので、せっかくなのでつけたままにしてあります。クリップなしなら、キャップトップぎりぎりまで漆塗ってほしいな、とも思いますし……
はじめまして。
実は,少し前にドルチェビータが欲しくてネットを検索していたらこのブログにたどり着きました。ブログを最初から読んでいると,猛烈な勢いで万年筆が増えて行くので大笑いしてみていました。でも,気持ちよくわかります。
先日丸善に行った際に初めて大橋堂に遭遇し,仙台に縁もあることから,どれか一本と思っていました。私は今回は買わなかったのですが,この度お買い上げになった黒に惹かれました。シックで良いですよね。今週の三越の「祭」で見つけたら逝ってしまいそうです・・・。
気温が急に変化していますので,ご自愛ください。
>DV-SLIMさん
はじめまして、コメントありがとうございます。
大橋堂はよいと思います。今回購入した黒い奴は、ずっと昔から作っているオーソドックスなものだそうで、安定の大橋堂でした。大型ペン先なので使い心地もまた今までとは違っていて、買ってよかったなあと思いました。ぜひ三越へw
花粉が来て、マスクのおかげで脳に酸素が足りない感じです。DV-SLIMさんもお気を付けて(三越までお出かけください)
流石です。
やっぱり、快気祝いは、万年筆じゃなきゃ。そうこなくっちゃ。
大橋堂のシンプルな佇まいもいいものですね。
DELTAのイタリアの陽気さとはことなる、芯のつよそうな魅力があります。
Diamineインク・・・
パソコンの画面を通してみる限りではありますが、素敵な発色。
気になるけど、入手方法等ハードルが高そうなのでちょっとほっとしてます。
こちらの記事で惹かれたエルバンですが、マリーアントワネットでデビューすることになりそうです。
似合うペンがなく、まだ飾ってるだけですが。
快気祝いを買えるほど元気になられたようで何よりです!
大橋堂さんのペンはまだ出会ったことが無いのですが、セーラー+大橋堂さんなんですね。興味津々です。
やっぱり大阪と東京の差なんですかね。東京まで買いに行くのは勇気が要ります。
私も最近なんだか細字ブームなんですが、細字って選ぶの難しいですね。
なかなかピンとくるペン先に出会えず、しつこくセーラーの兎蒔絵(ペン先を14金のに付け替えた)を使っています。
来週には、とりあえず話題のお品、ということでM800の茶縞が届きますが、Fニブ、書き味がいいといいなあ。
>Cygneさん
業の深い話ですよねー……
大橋堂は、余計な装飾がない分「質実剛健!」という感じです。
マリーアントワネットすごいですね。美しいけれども高い……今はエルバンのブルーナイトを常用しています。ブルーブラック系ではおすすめです。
>ウサっ子三昧 さん
大橋堂のペン先はセーラー謹製なので、使用感は近いんじゃないでしょうか。セーラーのペン1本も持ってないから比較できないんですが。
細字はなんだかんだで使いやすいです。大橋堂は細字ばっかり持ってるんですが、どれもいい感じです。
深崎様
行ってしまいましたよ三越。買ってしまいました大橋堂。
深崎さんと同じタイプの朱塗りのにしました(おっさんが朱塗りです。)。今は鳩羽鼠を入れています。朱から出てくる鼠色ってなかなか良いです。中字にしましたが,太からず細からずでちょうど良かったです。
なんというか,とてもやさしい感じの万年筆ですね。長く使おうと思います。
ありがとうございました。
>DV-SLIM さん
おめでとうございますw
朱塗りの方は勧められましたが何とか理性で回避したものでございます。中字でもよかったな、と帰りの電車の中で思いましたが、この際考えないことにしたいと思います。
優しい感じ、何となく分かります。素朴でいなかのおばあちゃんみたい。ちがうかな?
お互い、大事にいたしましょう。