去年に引き続き、世界の万年筆祭に行ってきた。
本当はスルーするつもりだったけど、諸般の事情により。以前買った中屋の万年筆を調整して貰おうと宅急便で送ったら、三越にペン先調整の職人さんが居るから良かったらおいでください、みたいな丁寧なメールをいただいたので、それならばと会社が引けてから一目散に日本橋へ。だったら送料無駄払いじゃね……とちょっと思ったけどまあいいや。
今回の依頼は、字幅を太くして貰うのと、フローをだばだばにして貰うこと。
私が着いたときには先客が一人。名前を告げて座って待つ。前の人がいろいろ迷って試筆している間に、私の万年筆を取り出して何やら磨いでいただいているご様子。私は目の前に置かれたサンプルを手にとってにやにや。碧溜美しいです……こっちにすれば良かったかしらと横恋慕。
あとは目の前に極細からミュージックまでのニブサイズをそろえた試筆用ペンがあったので、お言葉に甘えて書き殴って遊ぶ。ミュージック面白い。スタブと言うよりは、本当にカリグラフィー用のペンみたい。みたいって言うかそうなんだろうけど。今度買うなら碧溜のミュージックニブですか、と一人で盛り上がる。購入の予定はない。予定はないよ!
フローに関しては、最初から良かったんだけど無理を言ってもっとよくして貰う。ペン芯を交換して、さらに溝を掘り直して貰った。その後ペン先調整。ペン先職人さんの指は細いけどがっしりしてて器用そうで、ああ職人さんの手なんだなあと思った。
そして文字幅はこんな風になりました。
BEFORE→
AFTER→
使ってるインクは上がドクター・ヤンセンのナポレオン、下がモンブランのブルーブラックだが、これだけの差が出来た。満足です。元々が太字だが、舶来の中字くらいになったってことか。とりあえず私の中で、国産と舶来の太さの違いは二段階と決めた。舶来細字(F)が国産太字くらいの目安。
フローはだばだばになったけど、どうするもう少し絞る? と尋ねられたのだが、余りに気持ちよい書き味になったので迷った挙げ句このままでいいと答えた。無いよりはある方がいいよね、と言う思考回路。その逡巡を察してくれたのか、今後の予定を教えてくれた。何かあったらすぐ来てくださいね、と言うことで。
ちなみに私がモンブランのブルーブラックを使っていると言ったら、わざわざ会場の人に言ってそのインクをどこからか調達してきてくれたよ。
元々がセミオーダーとはいえ、目の前で調整して貰うと、なんだか万年筆への愛着が増すような気がする。気長に使い倒して自分好みに育てるのもいいけどな(紫の上的な意味で)
大変満足して中屋のブースを後にしたんだが、そう言えば送ったときに使ったあの木の箱、返して貰うの忘れた。あれ結構かっこよくて好きだったんだけどな。まあいいか。
それから、各ブースを眺めてにやにやした。DELTAでマリーナ・グランテを凝視したり、ヴィスコンティのラグタイムを凝視したり……今回は万年筆を買わないぞ! と言う強い意志で財布の紐を締めていたので助かった。いや、インクは買ってしまいましたけれどもね。ヴィスコンティのブルーをね。1本だけ残ってたから、つい、ね……だって何も買わずに帰るのは悔しかったんだもの。
ペンクリも長蛇の列、とは言えないものの常に誰かがいる感じ。平日夜と言うことでそれほど混雑はなかったのは前回と同じか。普段見掛けないコンウェイ・スチュワートが山のようにあったり、高えよ! と突っ込みたくなるようなのがあったり。もうちょっとゆっくり見たかったような気もするけど、小心者なのでそそくさと引き上げた。
しかし眼福眼福。行ってみて、対面で調整してもらえて良かったなあ。今回は都合で三連休にいけないので諦めてたんだけども。
十角の碧溜は美しいだろうなあ……(理性さん頑張って!)
当方遠方のため,万年筆祭りにはイケませんが,このように状況をブログにアップして下さると,なんか行った様な気になるのでありがたいです(笑)!
中屋万年筆、気に入った調整をして頂いてよかったですね!ますます愛着がわく事でしょう~碧溜綺麗だったんでしょうね~十角はもっと良いだろうな~
理性さん、頑張らなくても良いからね~(笑)!
>たがみさん
お役に立てたなら嬉しいです。でもきっと本番は3連休なんでしょうね。私は実家で引きこもる計画ですが(杉林が目の前にあるようなど田舎なので引きこもらざるを得ません。鼻が死にます)
碧溜綺麗でしたよー十角は角が多いから、さぞかし下の緑が透けて美しいんでしょうねえ……
理性さんは、万年筆祭では頑張ってくれたのですが、ヴィンテージ万年筆フェアの方では試合放棄でした。もっと頑張って貰わないと困ります。