以前にPILOTのカスタムヘリテイジ912買って使ってたんですけど、結局今手元にはカスタム743もあるんですよね不思議。
ペン先はどちらもフォルカンで一緒じゃん、って思うんですけど、カスタムヘリテイジについてるのが10号ペン先、743には15号ペン先がついている。ちなみにこの○○号というのはパイロット独自の規格で数字が大きい方がペン先が大きいそうです。
ヘリテイジ購入前にいろいろ調べたとき、「15号より10号のフォルカンの方が良くしなる」「しなりすぎて文字を書くのが難しい」という情報を入手していて、まあ字を書く予定はないし絵を描くならよくしなる方がよりGペンの感触に近かろう、と思ってヘリテイジを選択した。結果これは間違ってなくて、えっ君万年筆だったよね？ くらいのレベルで線幅が変わるので絵を描くには大変良かった。力入れすぎるとペンポイントが割れてインクでなくなるんだけど、そもそもGペンもそうなので問題はない。でもやっぱり万年筆だから字も書きたくなる訳で、そうすると前情報通りめっちゃ書きにくい。1画目のインクスキップ、と言うかついうっかり普通の万年筆みたいに書こうとしてペンポイント割れてインクでない現象多発。
で、じゃあ15号ってどうなん？ 10号よりしなりが抑え気味で書きやすいってほんと？ ってなるじゃないですか。なったんです。そりゃあなりますよね？
左がヘリテイジ、右がカスタム743でございます。カスタム743の方はディープレッドもあるけど潔く黒を選んでしまった。このシンプルすぎる形、ザ・万年筆みたいな形状、昔は苦手だったけど今はむしろ好ましく思う、これが加齢というものだと思います。黒に金、まるで絵に描いたような万年筆じゃありませんか。ヘリテイジの平べったい頭も好きですけどね。
全長は743の方がちょっと長い。とても軽いし、フォルカンはペン先の装飾もないので、まあなんというか、えっ……これがさんまんえんですか……？ ってなるけどそれが万年筆というものではないでしょうか（自己弁護）
左が15号、右が10号。写真では良く分かりませんが、実物目視でも大きさの違いは良く分からない。ただ15号の方が穂先が1mmくらい長い気がする。計測は面倒なのでしませんが大体そんくらいの印象。
で、大体万年筆って大型ペン先の方が柔らかい印象があるじゃないですか。モンブランの149とかガチニブだけど。PILOTの他のペン先は持ってないのでわかりませんが、フォルカンに関しては確かに15号より10号の方が良くしなります。しなるというか、割れます。15号の方がコシがあって、ある程度力を入れてもペン先が押し返してくるから割れずに線が引ける。その押し返してくる感じがふわっとしてるけど芯がある感じでとてもいい。確かに、書きやすさでは15号に軍配が上がりますな。
ヘリテイジ（10号）の方が線幅の変化は大きいけどやり過ぎるとちょっと割れる。743の方は結構力入れても限界があって割れませんでした。どっちも面白い線が引けるのでどっちがどっち、ってのはなかったけれども。
ちなみにインクはプラチナのカーボンインクをいれております。消しゴムを駆けても薄くならない上に耐水性なので上から水彩絵の具塗っても大丈夫。最近は万年必要のインクを呉竹のからっぽペン（毛筆カートリッジ）入れて使ってるけどこれがまた快適です。綺麗だけど字を書くには薄すぎるなあ、ってインクを持て余していたのがこんなところで役に立つとは。グレーとか薄い青とか好きで買っちゃうんだけど万年筆に入れると字が薄くてやっぱり違うな……って結局ヴァーディグリーズしか使ってなかったから……
PILOTと言うか国産万年筆のいいところは、Amazonだろうが楽天だろうが、店頭で試し書きせずに買ってもまあ大体ペン先に外れがないところだと思う。今回も多分失敗してない。引きこもりには大変喜ばしい制度だと思います。昔のトラウマがある所為か、未だに舶来万年筆をネットで買うのは躊躇しちゃう（ここ最近買ってないから状況はわからないけど）
ここまで来ると、次は中屋万年筆の軟ペン加工も試してみたいところですが、流石にそれはまだ理性さんが押し止めてくださってる。だって3本いるからね中屋。流石にこれ以上はね……と言うか今インク入れてるの、中屋とペリカン（M800）とPILOT（エラボー、743、ヘリテイジ）だけだったわ。なんか……王道って……
そういうわけで、まあ今そんなにアナログで絵を描く人いないかも知れないけど、Gペンとか丸ペンとか使いたい！ でもインク補充するのめんどい！ って人は選択肢に入れても面白いかも知れないです。ペンポイントも摩耗しにくいから長く使えるしね……