ここが終点と思っていても、おかしなことに、いつもいつも、終わりが始まりだ
ONOTO マーブル軸

ONOTO マーブル軸

去る3月、丸の内オアゾの丸善でユーロボックスさんのヴィンテージ万年筆フェアがございまして、ええ、残業続きの主人がひとり2DKの部屋でうずくまりつつ漫画を読んで夫の帰りを待つけなげな嫁に同情したのかご機嫌取りか、「行って来たらいいじゃん」と再三勧めるものですから、くほほ、目の保養なりと、財布の紐をきっちり締めて出かけてきました三月吉日。(町田康の『告白』を読んでいるので影響を受けています。長え……)
戦利品その1。その1と言うことは当然その2があるわけでして、まあ詳細は後日。
ONOTO THE PEN
1920年代と目される、オノトのマーブル軸。正直この模様、あんまり興味なかった。私が狙ってたのは黒軸シェブロンの方で、かれこれ20分以上どうしようかと逡巡していたら、ユーロボックスの中の人が「これなんかどうですか」と薦めてくださったのだった。
ぴっくりした。あまりの書きやすさに。今まで持ってたオノトのイメージと違う。ていうかそれも同じく1年前のヴィンテージ万年筆フェアで購入したのだが、なんかこれはちょっと違うぞ、と俄然興味津々。
ONOTO THE PEN
まず、ボディに対してニブがちょっと大きい。金属がちょっと厚め。やわらかくぺらぺらのオノトとは一線を画す質実剛健な雰囲気。未調整なのでちょっと引っ掛かりがあるが、この辺は調整しますよと悪魔の囁き。
ONOTO THE PEN
ペン先はOBくらい? OBBか? とにかくものすごいスタブな線が引ける。スタブにはまっている私はもう抗いようがなかった。ペン先全体がたわむのではなく、何だか当たりそのものがソフト。よくわからないが、ペン先全体が力をものすごく絶妙なバランスで吸収・拡散させているような……不思議な書き味。
そして先日、丸善から電話があって予定より早く届いたのでいそいそ引き取りに行ってきた、と言う顛末。何のインクを飲ませるか、悩みに悩んで、まだ結論を出せずにいる。とりあえずドクター・ヤンセンのヴェルディを入れてはみたものの、あーでもないこーでもないと幸福な憂鬱。

2 Comments

  1. たがみ たけし

    絶好調ですね!スゴいペースで万年筆が増殖中ですね(笑)!理性さんは何処に行ってしまったのですか?自分もかなりのハイペースで増殖中ですが、今ちょっと休憩中なんです~
    自分もスタブな書き味大好きです!万年筆らしい字が書けるっていうか独特の線が愉しくて仕方ありません!
    その2、楽しみにしてます!

  2. 深崎

    >たがみさん
    スゴいペースで万年筆が増殖中……って、そんなことないですよ……ないはずです。理性さんは出奔してしまったようです。帰ってきてー!(149とマリーナ・グランテが欲しいです)
    スタブはいいですねえ。中屋のミュージックをお持ちだそうで、羨ましい限りです。今度中屋を買うなら碧溜十角ミュージックがいいです。予定はありません。ありませんよ!(自分に言い聞かせるため2回言いました)

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